菜根譚 / 前集
勢利紛華,不近者為潔,近之而不染者為尤潔;智械機巧,不知者為高,知之而不用者為尤高。
書き下し
勢利紛華は、近づかざる者を潔と為す。之に近づきて染まらざる者を尤も潔と為す。智械機巧は、知らざる者を高と為す。之を知りて用いざる者を尤も高と為す。
現代語訳
権勢と利益の華やかさは、近づかない者が清らかである。だが近づいても染まらない者は、さらに清らかである。術策や小細工は、知らない者が高尚である。だが知っていて使わない者は、さらに高尚である。
解説
「知らないから、しない」のと「知っていて、しない」のは違います。前者は無垢であり、後者は選択です。誘惑を知らない清らかさより、誘惑を知った上で選ばない清らかさ。世間を離れることではなく、世間の中で染まらないことを、上に置いています。