菜根譚 / 前集
棲守道德者,寂寞一時;依附權勢者,淒涼萬古。故達人觀物外之物,思身後之身,寧受一時之寂寞,毋取萬古之淒涼。
新字:棲守道徳者,寂寞一時;依附権勢者,淒涼万古。故達人観物外之物,思身後之身,寧受一時之寂寞,毋取万古之淒涼。
書き下し
道徳に棲守する者は、寂寞たること一時なり。権勢に依附する者は、淒涼たること万古なり。故に達人は物外の物を観、身後の身を思い、寧ろ一時の寂寞を受くるも、万古の淒涼を取る毋(な)かれ。
現代語訳
道徳を守って生きる者は、一時は寂しい思いをする。権勢に寄りかかる者は、永遠に惨めな思いをする。だから物事を見通した人は、物の外にある物を見、死んだ後の自分を思う。むしろ一時の寂しさを受け入れても、永遠の惨めさを取ってはならない。
解説
菜根譚の冒頭です。道徳を守れば、今は寂しい。権勢に寄りかかれば、今は華やかです。ところが時間軸を伸ばすと、逆転します。「一時の寂しさ」と「永遠の惨めさ」。どちらを選ぶか。目先で比べるから迷うのであって、長い目で見れば答えは明白なのです。