呂氏春秋 / 有始⑬
冬至日行遠道,周行四極,命曰玄明。夏至日行近道,乃參於上。當樞之下無晝夜。白民之南,建木之下,日中無影,呼而無響,蓋天地之中也。
新字:冬至日行遠道,周行四極,命曰玄明。夏至日行近道,乃参於上。当枢之下無昼夜。白民之南,建木之下,日中無影,呼而無響,蓋天地之中也。
書き下し
冬至の日は遠道を行き、四極を周行す、命づけて玄明と曰う。夏至の日は近道を行き、乃ち上に參る。樞に當るの下は晝夜無し。白民の南、建木の下は、日中影無く、呼ぶに響無し。蓋し天地の中なり。
現代語訳
冬至の日、太陽は地上から遠い道を通り、四方の果てを巡る。これを玄明と名づける。夏至の日、太陽は近い道を通り、頭上高くに達する。北極の真下では昼夜の別がない。白民の南、建木の下では、真昼でも影がなく、呼んでも響かない。ここがおそらく天地の中心である。
解説
この段は太陽の運行と、伝説的な天地の中心を語ります。冬至には太陽が遠い軌道を、夏至には近い軌道を通り頭上に達するという、季節による日の高さの変化を捉えています。さらに北極の真下には昼夜がなく、白民の南・建木の下では影も反響もない、そこが天地の中心だという神話的な世界観を示します。呂氏春秋は実際の天文観測と空想的な地誌を織り交ぜて宇宙像を描きました。冬至・夏至で太陽の道が変わるという観察は正確で、季節と太陽高度の関係を示す点で、現代の天文学の基礎的知見にもつながります。
この章句が説くこと
冬至夏至太陽玄明建木天地の中心
関連する章句
-
呂氏春秋・仲冬④是の月や、日短かきこと至り、陰陽爭い、諸生蕩く。君子齋戒し、處れば必ず弇い、身は寧きことを欲し、聲色を去り、嗜慾を禁じ、形性を安んじ、事は靜なるを欲し、以て陰陽の定まる所を待つ。芸始めて生じ、荔挺出で、蚯蚓結び、糜角解け、水泉動く。日短かきこと至れば、則ち林木を伐り、竹箭を取る。
-
呂氏春秋・有始⑫極星、天と俱に游びて、天極移らず。
-
呂氏春秋・有始①天地に始め有り。天は微にして以て成り、地は塞ちて以て形す。天地の合和するは、生の大經なり。寒暑日月晝夜を以て之を知り、殊形殊能異宜を以て之を説く。夫れ物は合して成り、離れて生ず。合を知り成を知り、離を知り生を知れば、則ち天地平す。平なる者は、皆當に其の情を察し、其の形を處らかにすべし。
-
『淮南子』天文訓子午・卯酉を二繩と為し、丑寅・辰巳・未申・戌亥を四鉤と為す。東北を報德の維と為し、西南を背陽の維と為し、東南を常羊の維と為し、西北を蹏通の維と為す。日冬至なれば則ち斗北のかた繩に中たり、陰氣極まり、陽氣萌す。故に冬至を德と為すと曰う。日夏至なれば則ち斗南のかた繩に中たり、陽氣極まり、陰氣萌す。故に夏至を刑と為すと曰う。陰氣極まれば則ち北のかた北極に至り、下は黃泉に至る。故に以て地を鑿ち井を穿つ可からず。萬物閉藏し、蟄蟲穴に首す。故に德は室に在りと曰う。陽氣極まれば則ち南のかた南極に至り、上は朱天に至る。故に以て丘を夷げ屋を上す可からず。萬物蕃息し、五穀兆長す。故に德は野に在りと曰う。日冬至なれば則ち水之に從い、日夏至なれば則ち火之に從う。故に五月は火正しくして水漏り、十一月は水正しくして陰勝つ。陽氣は火と為り、陰氣は水と為る。水勝つ故に夏至溼り、火勝つ故に冬至燥く。燥く故に炭輕く、溼る故に炭重し。日冬至なれば井水盛んに、盆水溢れ、羊毛を脫し、麋角解け、鵲始めて巢くう。八尺の修、日中にして景一丈三尺。日夏至なれば流黃澤し、石精出で、蟬始めて鳴き、半夏生じ、蟁蝱駒犢を食らわず、鷙鳥黃口を搏たず。八尺の景、脩徑一尺五寸。景脩ければ則ち陰氣勝ち、景短ければ則ち陽氣勝つ。陰氣勝てば則ち水と為り、陽氣勝てば則ち旱と為る。陰陽刑德に七舍有り。何をか七舍と謂う。室・堂・庭・門・巷・術・野なり。十二月、德は室に居ること三十日、日至に先だつこと十五日、日至に後るること十五日にして徙り、居る所各ミ三十日なり。德室に在れば則ち刑は野に在り、德堂に在れば則ち刑は術に在り、德庭に在れば則ち刑は巷に在り、陰陽相い德すれば則ち刑德門を合わす。八月・二月は、陰陽の氣均しく、日夜分かれて平らかなり。故に刑德門を合わすと曰う。德南すれば則ち生じ、刑南すれば則ち殺す。故に二月に會して萬物生じ、八月に會して草木死すと曰う。
-
呂氏春秋・仲夏④是の月や、日の長きこと至り、陰陽爭い、死生分かる。君子齋戒し、處るには必ず揜くし、身は靜かにして躁ぐこと無く、聲色を止め、進むること或る無く、滋味を薄くし、和を致すこと無く、嗜慾を退け、心氣を定めんことを欲す。百官は靜かにし、事は刑すること無く、以て晏陰の成す所を定む。鹿角は解ち、蟬は始めて鳴き、半夏生じ、木堇榮く。
-
『淮南子』天文訓夏日至れば則ち陰陽に乘ず。是を以て萬物就きて死す。冬日至れば則ち陽陰に乘ず。是を以て萬物仰ぎて生ず。晝なる者は陽の分、夜なる者は陰の分なり。是を以て陽氣勝てば則ち日修くして夜短く、陰氣勝てば則ち日短くして夜修し。帝四維を張り、之を運らすに斗を以てす。月ごとに一辰を徙り、復た其の所に反る。正月は寅を指し、十二月は丑を指し、一歲にして匝り、終わりて復た始まる。寅を指せば、則ち萬物螾螾たるなり、律は太蔟を受く。太蔟なる者は、蔟りて未だ出でざるなり。卯を指せば、卯は則ち茂茂然たり、律は夾鐘を受く。夾鐘なる者は、種始めて莢するなり。辰を指せば、辰は則ち之を振るうなり、律は姑洗を受く。姑洗なる者は、陳きもの去りて新しきもの來たるなり。巳を指せば、巳は則ち生已に定まるなり、律は仲呂を受く。仲呂なる者は、中充ちて大なるなり。午を指せば、午なる者は、忤なり、律は蕤賓を受く。蕤賓なる者は、安んじて服するなり。未を指せば、未は、昧なり、律は林鐘を受く。林鐘なる者は、引きて止むるなり。申を指せば、申なる者は、之を呻くなり、律は夷則を受く。夷則なる者は、其の則を易うるなり、德以て去るなり。酉を指せば、酉なる者は、飽なり、律は南呂を受く。南呂なる者は、任じて大を包むなり。戌を指せば、戌なる者は、滅なり、律は無射を受く。無射は、入りて厭く無きなり。亥を指せば、亥なる者は、閡なり、律は應鐘を受く。應鐘なる者は、其の鐘に應ずるなり。子を指せば、子なる者は、茲なり、律は黃鐘を受く。黃鐘なる者は、鐘已に黃なるなり。丑を指せば、丑なる者は、紐なり、律は大呂を受く。大呂なる者は、旅旅として去るなり。其の卯酉に加うれば、則ち陰陽分かれ、日夜平らかなり。故に曰く、規は生じ矩は殺し、衡は長じ權は藏し、繩は中央に居りて、四時の根と為る、と。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る