呂氏春秋 / 季冬④
行之是令,此謂一終,三旬二日。季冬行秋令,則白露蚤降,介蟲為妖,四鄰入保。行春令,則胎夭多傷,國多固疾,命之曰逆。行夏令,則水潦敗國,時雪不降,冰凍消釋。
新字:行之是令,此謂一終,三旬二日。季冬行秋令,則白露蚤降,介虫為妖,四鄰入保。行春令,則胎夭多傷,国多固疾,命之曰逆。行夏令,則水潦敗国,時雪不降,冰凍消釈。
書き下し
是の令を行う、此を一終と謂う。三旬二日。季冬に秋の令を行えば、則ち白露蚤に降り、介蟲妖を為し、四鄰入りて保ず。春の令を行えば、則ち胎夭多く傷われ、國に固疾多し。之を命けて逆と曰う。夏の令を行えば、則ち水潦、國を敗り、時雪降らず、冰凍消釋す。
現代語訳
この政令を行うこと、これを一巡の終わりという。(三旬二日。)季冬にもし秋の政令を行えば、白露が早く降り、甲羅を持つ虫が異変を起こし、四方の隣国の民は城郭に入って自衛するようになる。春の政令を行えば、胎児や乳幼児が多く損なわれ、国に難病が多くなる。これを逆(時にそむく)と名づける。夏の政令を行えば、大水が国を破壊し、降るべき時に雪が降らず、氷が解けてしまう。
解説
本段は季冬の月令の締めくくりで、季節にそぐわない政令を行った場合の災いを警告します。秋の令を行えば異常な露や虫害と隣国の不安が生じ、春の令を行えば幼い命や健康が損なわれ、夏の令を行えば水害や暖冬の異変が起こるとされます。背景には、政治が季節と一致してこそ天地が正しく応えるという「時令」の思想があり、時にそむく政を「逆」と断じます。文中の「三旬二日」は脱文があるとされる箇所です。現代の視点では自然科学的な因果ではありませんが、季節や状況に合わない施策が思わぬ弊害を招くという戒めとして読むことができます。
この章句が説くこと
季冬月令時令逆災異介虫