呂氏春秋 / 孟冬⑦
是月也,乃命水虞漁師收水泉池澤之賦,無或敢侵削眾庶兆民,以為天子取怨于下,其有若此者,行罪無赦。
新字:是月也,乃命水虞漁師収水泉池沢之賦,無或敢侵削眾庶兆民,以為天子取怨于下,其有若此者,行罪無赦。
書き下し
是の月や、乃ち水虞・漁師に命じて、水泉池澤の賦を収め、敢て衆庶兆民を侵削して、以て天子の為に怨みを下に取ること或る無からしむ。其れ此きの若き者有れば、罪を行い赦すこと無し。
現代語訳
この月には、水沢の管理役人や漁師の長に命じて、泉・池・沢からの税を取り立てさせるが、決して庶民・万民を侵し削って、天子のために下々から怨みを招くことがないようにさせる。もしこのようなことをする者があれば、罰を加えて赦さない。
解説
水産資源への課税を担う役人に対し、民を苛斂誅求して天子への怨みを招いてはならないと厳しく戒める条文です。徴税は国家財政に不可欠ですが、それが民の収奪となれば、怨みは最終的に君主へ向かうという統治の道理が示されます。役人の不正が君主の徳を損なうという認識に立ち、違反者を赦さないと明言する点に、民本思想と綱紀粛正の姿勢が表れています。現代でも、末端の徴収や取り立てが組織全体の信頼を左右するという教訓は、公正な税制や顧客対応のあり方に通じます。
この章句が説くこと
水虞漁師賦税侵削兆民民本思想
関連する章句
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呂氏春秋・仲冬③是の月や、農に收藏積聚せざる者有り、牛馬畜獸、放佚する者有れば、之を取るとも詰らず。山林藪澤、能く疏食を取り、禽獣を田獵する者有れば、野虞、之を教導す。其の侵奪する者有れば、之を罪して赦さず。
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呂氏春秋・季冬②是の月や、漁師に命じて始めて漁せしむ。天子親ら往き、乃ち魚を嘗め、先づ寢廟に薦む。冰方に盛んに、水澤も復んなり。命じて冰を取らしむ。冰已に入れば、令して民に告げ、五種を出ださしめ、司農に命じて、耦耕の事を計り、耒耜を修め、田器を具えしむ。樂師に命じて、大いに吹を合わせしめて罷む。乃ち四監に命じて、薪柴を收秩せしめ、以て寢廟及び百祀の薪燎に供す。
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呂氏春秋・季夏②是の月や、漁師をして蛟を伐ち鼉を取り、龜を升め黿を取らしむ。乃ち虞人に命じて材葦を入れしむ。
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牧民忠告・救荒故事(こじ):民の税賦は、三年にして則ち第(だい)し、慣例に按(あん)じて其の貧富をはかりて之を均平にす。或いは名を好みて未だ及ばざるに先んじて為し、或いは謗りを避けて期を逾(こ)えて為さず、皆非なり。期の如く之を行えば、民の賜を受くること浅からず。
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呂氏春秋・季秋②是の月や、申ねて號令を嚴にし、百官貴賤に命じて、入るを務めざること無く、以て天地の藏に曾い、宣出有ること無からしむ。冢宰に命じて、農事備を收め、五種の要を舉げ、帝籍の收を神倉に藏め、祗敬して必ず飭えしむ。
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呂氏春秋・孟夏⑥是の月や、百藥を聚蓄す。糜草死し、麥秋至る。薄刑を斷ち、小辠を決し、輕繫を出だす。蠶事既に畢り、后妃、繭を獻ず。乃ち繭税を収め、桑を以て均と為し、貴賤少長一の如くし、以て郊廟の祭服に給す。