呂氏春秋 / 孟冬⑥
是月也,大飲蒸,天子乃祈來年于天宗。大割,祠于公社及門閭,饗先祖五祀,勞農夫以休息之。天子乃命將率講武,肄射御、角力。
新字:是月也,大飲蒸,天子乃祈来年于天宗。大割,祠于公社及門閭,饗先祖五祀,労農夫以休息之。天子乃命将率講武,肄射御、角力。
書き下し
是の月や、大いに飲蒸し、天子乃ち來年を天宗に祈る。大いに割きて、公社及び門閭を祠り、先祖五祀を饗し、農夫を勞い、以て之を休息せしむ。天子乃ち將率に命じて、武を講じ、射御を肄い、力を角わしむ。
現代語訳
この月には、大いに酒宴を開いて烝祭を行い、天子は来年の豊作を天の神々に祈る。牲を割いて、国社および里の門をまつり、先祖と五祀を饗応し、農夫をねぎらって休息させる。天子はまた将軍たちに命じて、武術を講じ、弓術・馬術を習わせ、力くらべをさせる。
解説
収穫を終えた冬に、祭祀で神々と先祖に感謝し来年の実りを祈り、農夫をねぎらう営みが述べられます。農閑期に入ったこの時期に、酒宴と祭りで一年の労を報い、共同体の絆を確かめる点に、農耕社会のリズムが表れています。あわせて、天子が将兵に武術を鍛えさせるのも、農繁を避けた冬に軍事訓練を行うという合理的な配慮です。現代でも、繁忙期を越えた節目に成果を祝い、休養と次への備えを両立させる発想は、組織の持続的な活力を保つ知恵として通じます。
この章句が説くこと
烝祭天宗五祀公社講武農閑期
関連する章句
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呂氏春秋・季冬③是の月や、日、次に窮まり、月、紀に窮まり、星、天を迴り、數、將に終わりに幾からんとし、歲、將に更始せんとす。農民に專らにして、使う所有ること無かれ。天子乃ち卿大夫と國典を飭え、時令を論じ、以て來歲の宜しきを待つ。乃ち太史に命じて、諸侯の列を次し、之に犧牲を賦せしめ、以て皇天・上帝・社稷の享に供す。乃ち同姓の國に命じて、寢廟の芻豢を供せしむ。宰に令して卿大夫より庶民に至るまでの土田の數を歷えて、之に犧牲を賦せしめ、以て山林名川の祀に供す。凡そ天下九州に在るの民は、咸其の力を獻ぜざるは無く、以て皇天・上帝・社稷・寢廟・山林・名川の祀に供す。
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呂氏春秋・季冬②是の月や、漁師に命じて始めて漁せしむ。天子親ら往き、乃ち魚を嘗め、先づ寢廟に薦む。冰方に盛んに、水澤も復んなり。命じて冰を取らしむ。冰已に入れば、令して民に告げ、五種を出ださしめ、司農に命じて、耦耕の事を計り、耒耜を修め、田器を具えしむ。樂師に命じて、大いに吹を合わせしめて罷む。乃ち四監に命じて、薪柴を收秩せしめ、以て寢廟及び百祀の薪燎に供す。
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呂氏春秋・孟春③是の月や、天子乃ち元日を以て穀を上帝に祈る。乃ち元辰を擇び、天子親ら耒耜を載せ、之を參于の保介の御の間に措き、三公・九卿・諸侯・大夫を率いて躬ら帝籍田を耕す。天子、三たび推し、三公、五たび推し、卿・諸侯・大夫、九たび推す。反りて爵を太寝に執り、三公・九卿・諸侯・大夫、皆御し、命じて「勞酒」と曰う。
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呂氏春秋・孟冬②是の月や、立冬なるを以て、立冬に先だつこと三日、太史、之を天子に謁げて、曰く、「某日立冬なり、盛德は水に在り。」天子乃ち齋す。立冬の日、天子親ら三公九卿大夫を率いて以て冬を北郊に迎う。還りて乃ち事に死せしものを賞し、孤寡を恤む。
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呂氏春秋・孟秋④是の月や、農乃ち穀を升む。天子、新を嘗め、先づ寢廟に薦む。百官に命じて、始めて収斂せしむ。隄防を全くし、壅塞を謹み、以て水潦に備え、宮室を修め、牆垣を坿い、城郭を補わしむ。
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呂氏春秋・孟冬④是の月や、天子始めて裘す。有司に命じて曰く、「天氣上騰し、地氣下降し、天地通ぜず、閉じて冬を成せ。」百官に命じて、謹んで蓋藏せしむ。司徒に命じて、積聚を循行し、斂めざる有ること無からしむ。城郭を坿し、門閭を戒め、楗閉を修め、關籥を慎み、封璽を固くす。邊境に備え、要塞を全くし、關梁を謹み、蹊徑を塞ぐ。喪紀を飭え、衣裳を辧ち、棺槨の厚薄を審らかにし、丘壟に小大高卑薄厚の度、貴賤の等級を營る。