呂氏春秋 / 季秋②
是月也,申嚴號令。命百官貴賤,無不務入,以會天地之藏,無有宣出。命冢宰,農事備收,舉五種之要,藏帝籍之收於神倉,祗敬必飭。
新字:是月也,申厳号令。命百官貴賤,無不務入,以会天地之蔵,無有宣出。命冢宰,農事備収,舉五種之要,蔵帝籍之収於神倉,祗敬必飭。
書き下し
是の月や、申ねて號令を嚴にし、百官貴賤に命じて、入るを務めざること無く、以て天地の藏に曾い、宣出有ること無からしむ。冢宰に命じて、農事備を收め、五種の要を舉げ、帝籍の收を神倉に藏め、祗敬して必ず飭えしむ。
現代語訳
この月には、重ねて号令を厳しくし、身分の高下を問わずすべての官に命じて、収穫物を蔵に納めることに努めさせ、天地が万物を収蔵する働きに合わせ、外に放出することのないようにする。宰相の冢宰に命じて、農事の収穫をすべて納めさせ、五穀の集計を帳簿に挙げ、天子の籍田で得た収穫を神倉に納め、慎み敬って必ず整えさせる。
解説
収穫の秋に、天子が官吏へ収蔵を徹底させる政令です。要点は、この時期はひたすら「入れる(蓄える)」ことに努め、「出す(放出)」ことを慎むという方針です。背景として、季秋は天地が万物を収め閉ざしていく季節と考えられ、人の営みもこれに合わせるべきとされました。とりわけ天子自ら耕した籍田の収穫を神倉に納めるのは、祭祀用の穀物を敬い蓄える宗教的な意味を持ちます。現代でも、収穫期にあたる時期に成果を確実に蓄え、無駄な流出を防ぐという発想は、家計や組織の資源管理に通じる知恵です。
この章句が説くこと
収蔵冢宰神倉籍田五穀号令