呂氏春秋 / 仲秋⑥
是月也,易關市,來商旅,入貨賄,以便民事。四方來雜,遠鄉皆至,則財物不匱,上無乏用,百事乃遂。凡舉事無逆天數,必順其時,乃因其類。
新字:是月也,易関市,来商旅,入貨賄,以便民事。四方来雑,遠鄉皆至,則財物不匱,上無乏用,百事乃遂。凡舉事無逆天数,必順其時,乃因其類。
書き下し
是の月や、關市を易くし、商旅を來たし、貨賄を入れ、以て民事に便す。四方來たり襍まり、遠鄉皆至れば、則ち財物匱しからず。上、用に乏しきこと無く、百事乃ち遂ぐ。凡そ事を舉ぐるには、天數に逆らうこと無く、必ず其の時に順い、乃ち其の類に因る。
現代語訳
この月には、関所や市場の通行を容易にし、商人や旅人を招き寄せ、財貨を運び入れて、民の暮らしを便利にする。四方から人が集まり、遠い土地からもみな来れば、財物は乏しくならず、上には物資の不足がなく、あらゆる事業が成し遂げられる。およそ事を起こすには、天の運行に逆らわず、必ずその時に従い、その種類に応じて行う。
解説
この段は、関所や市場の通行を緩めて通商を盛んにし、物資を潤沢にして民の暮らしを安定させよと説きます。収穫を終えた秋は物流の好機で、人と財貨を各地から集めることで国庫も民も潤うとされました。そのうえで、事は必ず天の時と物事の性質に順って行うべきだと結びます。流通を活性化して全体を豊かにし、かつ時機と対象に合わせて動くという発想は、市場を開いて交易を促す政策や、時機を捉えた適切な事業展開の考え方に通じます。
この章句が説くこと
通商関市流通天数民生適時
関連する章句
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呂氏春秋・仲秋④是の月や、以て城郭を築き、都邑を建て、竇窌を穿ち、囷倉を修めしむ可し。乃ち有司に命じて、民を趣して收斂せしめ、務めて菜を蓄え、積聚を多からしむ。乃ち麥を種うることを勸め、時を失うこと或る無からしむ。罪を行いて疑うこと無し。
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呂氏春秋・仲秋⑦是の令を行えば、白露降ること三旬なり。仲秋に春の令を行えば、則ち秋雨降らず、草木榮を生じ、國乃ち大恐有り。夏の令を行えば、則ち其の國は旱し、蟄蟲藏れず、五穀復た生ず。冬の令を行えば、則ち風災數々起こり、收雷先だちて行われ、草木早く死す。
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呂氏春秋・季秋②是の月や、申ねて號令を嚴にし、百官貴賤に命じて、入るを務めざること無く、以て天地の藏に曾い、宣出有ること無からしむ。冢宰に命じて、農事備を收め、五種の要を舉げ、帝籍の收を神倉に藏め、祗敬して必ず飭えしむ。
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呂氏春秋・仲夏⑥仲夏に冬の令を行えば、則ち雹霰、穀を傷ない、道路通ぜず、暴兵來たり至る。春の令を行えば、則ち五穀晚く熟し、百螣時に起り、其の國乃ち饑ゆ。秋の令を行えば、則ち草木零落し、果實早く成り、民、疫に殃いせらる。
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呂氏春秋・仲春⑤是の月や、耕者少しく舎めば、乃ち闔扇を修め、寝廟必ず備わらしむ。大事を作して以て、農功を妨ぐること無かれ。