呂氏春秋 / 季夏④
是月也,命婦官染采,黼黻文章,必以法故,無或差忒,黑黃蒼赤,莫不質良,勿敢偽詐,以給郊廟祭祀之服,以為旗章,以別貴賤等級之度。
新字:是月也,命婦官染采,黼黻文章,必以法故,無或差忒,黒黄蒼赤,莫不質良,勿敢偽詐,以給郊廟祭祀之服,以為旗章,以別貴賤等級之度。
書き下し
是の月や、婦官に命じて采を染めしむ。黼黻文章、必ず法故を以てして、差忒或る無く、黑黃蒼赤、質良ならざること莫く、敢て偽詐すること勿らしむ。以て郊廟祭祀の服に給し、以て旗章を為り、以て貴賤等級の度を別つ。
現代語訳
この月には、婦官に命じて色を染めさせる。黼黻や文章といった模様は、必ず古来の法式に従わせ、狂いがないようにし、黒・黄・青・赤の色はどれも良質でなければならず、偽り欺くことのないようにさせる。それを郊廟の祭祀の服に供し、旗の紋章を作り、身分・等級の違いを区別する尺度とする。
解説
この段は、季夏に婦官(女官)が担う染色の仕事とその意味を説きます。祭服や旗に用いる色や模様は、古来の法式に忠実に、質を保ち、偽りなく仕上げることが求められました。古代では、色や文様は単なる装飾ではなく、身分や等級を可視化し、社会秩序を示す記号でした。だからこそ規格外れや粗悪な染めは秩序の乱れにつながると考えられたのです。決められた基準を守り、品質にごまかしを許さないという姿勢は、規格や品質管理、ブランドの信頼を守る現代のものづくりにも通じる考え方といえます。
この章句が説くこと
婦官染色黼黻文章旗章身分秩序品質
関連する章句
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礼記・月令是の月や、婦官に命じて采(さい)を染めしむ。黼黻(ほふつ)文章は必ず法故を以てし、差貸(さとく)すること或る無からしむ。黒黄倉赤、質良ならざるは莫く、敢えて詐偽すること毋く、以て郊廟祭祀の服に給し、以て旗章を為り、以て貴賤等給の度を別つ。 是の月や、樹木方に盛んなり、乃ち虞人(ぐじん)に命じて山に入りて木を行(めぐ)らしめ、斬伐すること有る毋からしむ。以て土功を興すべからず、以て諸侯を合わすべからず、以て兵を起こし衆を動かすべからず、大事を挙げて、以て養気を揺るがすこと毋かれ。令を発して待つこと毋かれ、以て神農の事を妨ぐればなり。水潦盛昌にして、神農将に功を持せんとす、大事を挙ぐれば則ち天殃有り。
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呂氏春秋・季春⑤是の月や、野虞に命じて、桑柘を伐ること無からしむ。鳴鳩、其の羽を拂い、戴任、桑に降るや、栚曲𥴧筐を具う。后妃、齋戒し、親ら東に嚮いて躬ら桑とる。婦女に禁じて觀無からしめ、婦使を省き、蠶事を勸む。蠶事既に登れば、繭を分かち絲を稱り功を效す。郊廟の服に共するを以て、敢て墮ること有ること無かれ。
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呂氏春秋・季春⑥是の月や、工師に命じ、百工に令して、五庫の量を審らかにし、金鐵・皮革筋・角齒・羽箭幹・脂膠丹漆、良からざるもの或こと無からしむ。百工咸理むるや、工を監して日々號し、時に悖ること無からしむ。淫巧を作為して、以て上の心を蕩たらしむること或ること無からしむ。
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呂氏春秋・季夏③是の月や、四監大夫をして百縣の秩芻を合わせ、以て犧牲を養わしむ。民をして咸其の力を出ださせること無からしめ、以て皇天上帝・名山大川・四方の神に供し、以て宗廟社稷の靈を祀り、民の為に福を祈る。
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呂氏春秋・季夏①季夏の月。日は柳に在り、昏に心中し、旦に奎中す。其の日は丙丁、其の帝は炎帝、其の神は祝融、其の蟲は羽、其の音は徵、律は林鐘に中る。其の數は七、其の味は苦、其の臭は焦。其の祀は竈、祭るには肺を先にす。涼風始めて至り、蟋蟀、宇に居り、鷹乃ち學習し、腐草、化して蚈と為る。天子、明堂の右个に居り、朱輅に乘り、赤騮を駕し、赤旂を載て、朱衣を衣、赤玉を服び、菽と鶏とを食らう。其の器は高にして以て觕なり。
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呂氏春秋・孟冬⑤是の月や、工師、功を效し、祭器を陳ね、度程を按じ、淫巧を作為して、以て上の心を蕩かす或ること無からしめ、必ず功致を上と為す。物は工名を勒し、其の誠を考え、工に當らざる有れば、必ず其の罪を行い、以て其の情を窮む。

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