師導古典を学びたいすべての人に

南洲翁遺訓 / 第九条

忠孝仁愛教化の道は政事の大本にして、万世に亘り宇宙に弥り易ふ可からざるの要道也。道は天地自然の物なれば、西洋と雖も決して別無し。

書き下し

忠孝仁愛教化の道は政事の大本にして、万世に亘り宇宙に弥り易ふ可からざるの要道也。道は天地自然の物なれば、西洋と雖も決して別無し。

現代語訳

忠孝仁愛と教化の道は政治の大もとであって、万世にわたり宇宙にゆきわたって変えることのできない要の道である。道は天地自然のものなのだから、西洋といえども決して別ではない。

解説

六十四字の短い条だが、この書の背骨にあたる。「道は天地自然の物なれば、西洋と雖も決して別無し」——道は自然のものだから、西洋も日本も違いはない。前条で「我が国の本体を居ゑ」と言った同じ人が、その本体を日本固有のものとしては立てていない。天地自然の道であって、どこの国のものでもない、という位置に置く。だから西洋から採るべきものは採れるし、逆に西洋が道を外れていれば「野蛮じや」と言える(第十一条)。基準が自国ではなく道の側にあるから、称賛も批判も同じ物差しでできる。自国を基準にすると、称賛も批判も身びいきになる。この一条があるおかげで、遺訓全体が国粋論に落ちずに済んでいる。

この章句が説くこと

道は天地自然の物西洋と雖も別無し忠孝仁愛基準の置きどころ

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる