孟子 / 盡心章句下
孟子曰、養心、莫善於寡欲。其為人也寡欲、雖有不存焉者、寡矣。其為人也多欲、雖有存焉者、寡矣。
書き下し
孟子曰く、「心を養うは、寡欲より善きは莫し。其の人と為りや寡欲なれば、存せざる者有りと雖も、寡し。其の人と為りや多欲なれば、存する者有りと雖も、寡し。」
現代語訳
孟子は言った。 「心を養うには、欲を少なくするに勝るものはない。その人が欲の少ない性格であれば、たとえ徳が備わっていなくとも、それはほんのわずかで、大したことではない。その人が欲の多い性格であれば、たとえ徳を備えていても、それはほんのわずかなものである。」
解説
物やお金、地位などへの際限のない欲望は、心を乱し、本来見失ってはいけない大切なものを覆い隠してしまいます。欲望をゼロにする必要はありませんが、それが多すぎると常に不満を抱え、心の平穏を得ることができません。日々の生活の中で、本当に必要なものは何かを見極め、足るを知る心を持つことが重要です。欲望を適切にコントロールし、過度な執着を手放すことで、人は初めて心豊かな落ち着いた人生を送ることができるようになります。
この章句が説くこと
寡欲心の平穏足るを知る
関連する章句
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言志四録・言志耋録 第百五十一条 心を養ふは寡欲に善きは莫し心を養ふは寡欲より善きは莫し。君子の自ら養ふ者、宜しく是くの如くなるべし。人を待つに至りては、則ち然らず。人をして各々其の欲を達せしむるのみ。但だ欲にも亦公私有り。弁ずべし。
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『講孟余話』盡心下 第三十五章「心を養ふは欲を寡くするより善きは莫し」。余少き時深く此の章を愛玩す。蓋し年十六七の時、寡欲録と云ふ随筆を著さんと欲す。僅々数件を筆して業を廃す。頃ろ之れを故紙中に得たり。其の叙言に云く、「孟子曰く、心を養ふは欲を寡くするより善きは莫しと。周子曰く、之れを寡くして以て無きに至ると。孟周の言、学者に於て尤も切なりと為す。余因りて物欲の陥り易くして悔い難き者を雑録して自ら誡む。凡そ欲の陥り易く悔い難き者は、多く忽にする所に在り、詩文書画凡百の玩好皆是れなり。其の他の物欲甚しき者と雖も、或は陥り難くして悔い易し。何となれば則ち外に憚る所有り、内に愧づる所有ればなり。夫れ忽にする所の者は、之れに臨みて戒めず、故に陥り易し。之れに居りて疑はず、故に悔い難し。而して隠々として害其の中に伏す、慎まざるべけんや。是れ余の斯の録有る所以なり」と。
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孟子・盡心章句上孟子曰く、「求むれば則ち之を得、舍つれば則ち之を失う。是れ求めて得るに益有るなり。我に在る者を求むればなり。之を求むるに道有り。之を得るに命有り。是れ求めて得るに益無きなり。外に在る者を求むればなり。」
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孟子・盡心章句上孟子曰く、「其の心を盡くせば、其の性を知るなり。其の性を知れば、則ち天を知る。其の心を存し、其の性を養うは、天に事うる所以なり。殀壽貳せず、身を修めて以て之を俟つは、命を立つる所以なり。」
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『養生訓』巻第一・総論上一人の身をたもつには、養生の道をたのむべし、針灸と薬力とをたのむべからず。人の身には口腹耳目の欲ありて、身をせむるもの多し。古人のをしへに、養生のいたれる法あり。孟子にいはゆる寡慾これなり。宋の王昭素も、身を養ふ事は慾を寡くするにしくはなしと云へり。省心録にも、多慾則傷生といへり。およそ人のやまひは皆わが身の慾をほしいままにして、つつしまざるよりおこる、養生の士は、つねにこれを戒とすべし。
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孟子・盡心章句上孟子曰く、「萬物皆我に備わる。身に反して誠なれば、樂しみ焉より大なるは莫し。強恕して行う、仁を求むること焉より近きは莫し。」
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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