孟子 / 盡心章句下
孟子曰、言近而指遠者、善言也。守約而施博者、善道也。君子之言也、不下帶而道存焉。君子之守、脩其身而天下平。人病舍其田而芸人之田。所求於人者重、而所以自任者輕。
新字:孟子曰、言近而指遠者、善言也。守約而施博者、善道也。君子之言也、不下帯而道存焉。君子之守、脩其身而天下平。人病舎其田而芸人之田。所求於人者重、而所以自任者軽。
書き下し
孟子曰く、「言近くして指遠き者は、善言なり。守ること約にして施すこと博き者は、善道なり。君子の言や、帶を下らずして道存す。君子の守りは、其の身を脩めて天下平らかなり。人、其の田を舎てて、人の田を芸るを病とす。人に求むる所の者重くして、自ら任ずる所以の者輕ければなり。」
現代語訳
孟子は言った。 「卑近な事を言いながら、その実深遠な意味を含んでいるのが善言である。守り行うことの要点は簡約であるが、その施しが広い範囲にまで行き渡るのが善道である。君子の言葉は、帯より下へは下らないほどに至近な事を述べており、非常に分かりやすいにもかかわらず、その中には深い道理が含まれているものだ。君子が守り行うのはわが身を修めるという簡約なものであるが、広く天下が平安になるほどに、その効果は及ぶのである。ところが凡人は、身近な我が田を省みずに、人の田の草を取り除こうとする悪い癖がある。それは他人に要求することは重んじるが、自分の責任として引き受けることは軽んじているからである。」
解説
私たちは往々にして、自分自身の足元にある問題には目を向けず、他人の欠点や課題ばかりを口うるさく指摘してしまいがちです。他人に高い要求を押し付ける一方で、自分自身の責任や果たすべき役割を軽視していては、誰からも信頼されることはありません。まずは自分に与えられた仕事や役割をしっかりと全うし、自分自身の内面を磨くことに集中することが大切です。自分を正すことこそが、結果的に周囲へ良い影響を与える一番の近道となります。
この章句が説くこと
自己責任他責思考足元を見つめる
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