孟子 / 盡心章句下
孟子曰、春秋無義戰。彼善於此、則有之矣。征者上伐下也。敵國不相征也。
新字:孟子曰、春秋無義戦。彼善於此、則有之矣。征者上伐下也。敵国不相征也。
書き下し
孟子曰く、「春秋に義戰無し。彼、此れより善きは、則ち之れ有り。征とは、上、下を伐つなり。敵國は相征せざるなり。」
現代語訳
孟子は言った。 「『春秋』の書には、正義の戦いと見なされたものはない。唯だ、あれよりもこちらの方がよいと記された例はある。義戰とは善が惡を討つことで、征とは、天子が諸侯の惡、乃ち不正不義を正す為に討つことであり、対等の敵国どうしの間では、相手を征伐するということはないのである。」
解説
人間同士の争いや対立において、一方が完全に正しいということは稀です。多くの場合、双方が自分の正義を主張して争いますが、第三者から見れば「どちらかといえばマシ」という程度の違いしかありません。孟子は、対等の立場にある者同士の争いには絶対的な正義は存在しないと指摘します。仕事での対立や人間関係のトラブルでも、自分の正義だけを振りかざすのではなく、相手の立場を理解し、歩み寄る姿勢を持つことが解決の糸口となります。