孟子 / 盡心章句上
孟子曰、附之以韓魏之家、如其自視欿然、則過人遠矣。
書き下し
孟子曰く、「之に附すに韓・魏の家を以てするも、如し其の自ら視ること欿然(カン・ゼン)たらば、則ち人に過ぐること遠し。」
現代語訳
孟子は言った。 「晉の大家であった韓や魏の富を益し与えられても、己が成すべきことには、それほど大事なことではないので、なんだこれしきの事かと気にかけないようであれば、凡人よりもはるかに優れた人物だといえる。」
解説
私たちはつい、お金や物質的な豊かさを人生の目標にしてしまいがちです。莫大な財産や高い地位を提示されると、自分の信念を曲げてしまうことも少なくありません。しかし、本当に自分自身を確立している人は、どれほど魅力的な利益を目の前にしても、それが自分の追い求める本質的な価値と無関係であれば、少しも心が揺らぎません。目先の利益や誘惑に惑わされず、自分が本当に成し遂げたい使命や価値観を大切に生きることが、豊かな人生に繋がります。
この章句が説くこと
利益信念価値観誘惑
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孟子・公孫丑章句下孟子、臣為るを致して歸る。王就いて孟子を見て曰く、「前日、見んことを願いて得可からず。同朝に侍するを得て甚だ喜べり。今、又寡人を棄てて歸る。識らず、以て此に繼いで見るを得可きか。」對えて曰く、「敢て請わざるのみ。固より願う所なり。」他日、王、時子に謂いて曰く、「我、中國にして孟子に室を授け、弟子を養うに萬鍾を以てし、諸大夫國人をして、皆矜式する所有らしめんと欲す。子盍ぞ我が為に之を言わざる。」時子、陳子に因りて以て孟子に告げしむ。陳子、時子の言を以て孟子に告ぐ。孟子曰く、「然り。夫の時子惡くんぞ其の不可なるを知らんや。如し予をして富を欲せしめば、十萬を辭して萬を受く。是れ富を欲すと為さんか。季孫曰く、『異なるかな子叔疑。己をして政を為さしむ。用いられざれば則ち亦た已まん。又其の子弟をして卿為らしむ。人亦た孰か富貴を欲せざらん。而して獨り富貴の中に於いて、龍斷を私する有り。』古の市為るや、其の有る所を以て其の無き所に易う者なり。有司は、之を治むるのみ。賤丈夫有り。必ず龍斷を求めて之に登り、以て左右望して市利を罔せり。人皆以て賤しと為す。故に從って之を征す。商を征するは、此の賤丈夫自り始まる。」
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孟子・梁惠王章句上孟子、梁の惠王に見ゆ。王曰く、「叟、千里を遠しとせずして來たる。亦た将に以て吾が國を利する有らんとするか。」孟子對えて曰く、「王何ぞ必ずしも利と曰わん。亦た仁義有るのみ。王は何を以て吾が國を利せんと曰い、大夫は何を以て吾が家を利せんと曰い、士・庶人は何を以て吾が身を利せんと曰う。上下交々利を征れば國危うし。萬乘の國、其の君を弒する者は、必ず千乘の家なり。千乘の國、其の君を弒する者は、必ず百乘の家なり。萬に千を取り、千に百を取る、多からずと為さず。苟も義を後にして利を先にすることを為さば、奪わずんば饜かず。未だ仁にして其の親を遺つる者有らざるなり。未だ義にして其の君を後にする者有らざるなり。王も亦た仁義と曰わんのみ。何ぞ必ずしも利と曰わん。」
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易経・明夷卦君子于に行くとは、義として食はざるなり。六二の吉は、順にして則(のり)あるを以てなり。南狩の志は、乃ち大いに得るなり。左の腹に入るとは、心意を獲るなり。箕子の貞は、明息(や)むべからざるなり。初めは天に登るとは、四国を照らすなり。后には地に入るとは、則を失へばなり。
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史記 屈原賈生列伝乃ち懐沙の賦を作る。其の辞に曰く、「陶陶たる孟夏、草木莽莽たり。懐ひを傷ましめ永く哀しみ、汩として南土に徂く。眴として窈窈たり、孔だ静かにして幽墨なり。冤結紆軫し、愍に離ひて之れ長く鞠しむ。情を撫し志を效し、俛詘して以て自ら抑ふ。方を刓りて以て圜と為すも、常度未だ替らず。初めを易へ由るを本とするは、君子の鄙しむ所なり。画を章かにし墨を職とし、前度未だ改めず。内直く質重きは、大人の盛んとする所なり。巧匠斲らずんば、孰か其の揆の正しきを察せん。玄文幽処すれば、矇は之を章かならずと謂ふ。離婁微睇するも、瞽は以て明無しと為す。白を変じて黒と為し、上を倒にして以て下と為す。鳳皇笯に在りて、雞雉翔舞す。玉石を同糅して、一概にして相量る。夫の党人の鄙妒なる、羌吾が臧する所を知らず。任重く載盛んにして、陥滞して済らず。瑾を懐き瑜を握るも、窮して示す所を得ず。邑犬群がりて吠ゆるは、怪しむ所に吠ゆるなり。駿を誹り桀を疑ふは、固より庸態なり。文質疏内なるも、衆は吾の異采を知らず。材樸委積するも、余の有する所を知る莫し。仁を重ね義を襲ね、謹厚以て豊と為す。重華牾ふべからず、孰か余の従容を知らん。迸より固より并ばざる有り、豈に其の故を知らんや。湯禹久遠にして、邈として慕ふべからず。違ふを懲らし忿りを改め、心を抑へて自ら彊む。湣に離ひて遷らず、志の象有らんことを願ふ。路を進めて北に次り、日は昧昧として其れ将に暮れんとす。憂ひを含み哀しみを虞み、之を限るに大故を以てす。乱に曰く、浩浩たる沅・湘、分流して汨たり。修路幽拂にして、道遠く忽たり。曾ち唫じて恒に悲しみ、永く嘆じて慨く。世既に吾を知る莫く、人心謂ふべからず。情を懐き質を抱き、独り匹無し。伯楽既に歿し、驥将た焉くにか程らん。人生命を稟け、各々錯く所有り。心を定め志を広くせば、余何ぞ畏懼せん。曾ち傷み爰に哀しみ、永く嘆喟す。世溷りて吾を知らず、心謂ふべからず。死の譲るべからざるを知る、願はくは愛しむ勿からん。明らかに以て君子に告ぐ、吾将に以て類と為さんとす」と。
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孟子・盡心章句上孟子曰く、「天下、道有れば、道を以て身に殉え、天下、道無ければ、身を以て道に殉う。未だ道を以て人に殉う者を聞かざるなり。」
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