孟子 / 公孫丑章句下
孟子為卿於齊。出弔於滕。王使蓋大夫王驩為輔行。王驩朝暮見。反齊滕之路、未嘗與之言行事也。公孫丑曰、齊卿之位、不為小矣。齊滕之路、不為近矣。反之而未嘗與言行事、何也。曰、夫既或治之。予何言哉。
新字:孟子為卿於斉。出弔於滕。王使蓋大夫王驩為輔行。王驩朝暮見。反斉滕之路、未嘗与之言行事也。公孫丑曰、斉卿之位、不為小矣。斉滕之路、不為近矣。反之而未嘗与言行事、何也。曰、夫既或治之。予何言哉。
書き下し
孟子、齊に卿為り。出でて滕に弔す。王、蓋の大夫王驩をして輔行為らしむ。王驩、朝暮に見ゆ。齊滕の路を反し、未だ嘗て之と行事を言わざるなり。公孫丑曰く、「齊卿の位は、小と為さず。齊滕の路は、近しと為さず。之を反して未だ嘗て與に行事を言わざるは、何ぞや。」曰く、「夫れ既に之を治むる或り。予何をか言わんや。」
現代語訳
孟子が齊の客卿だったとき、王命により滕君の喪を弔いに出かけた。蓋の大夫王驩が補佐を務めた。王驩は孟子を正使として立てて、朝夕の挨拶をかかさなかったが、齊と滕を往復する間、孟子は一度も王驩と使者の仕事について話し合わなかった。そこで弟子の公孫丑が尋ねた、 「先生の齊の卿という地位は決して低いものではありません。齊と滕の間の道のりも決して近いものではありません。それなのにこの往復の間に使命について王驩と一度も話し合おうとされなかったのは、何故でございますか。」 「あの男が何もかも知っていて独断で行っているようなので、私は何も言う必要はないではないか。」
解説
チームで仕事をする際、独断専行で物事を進めようとする人に対して、無理に意見を押し付けたり対立したりする必要はありません。相手が話し合いを求めていない状況で無理に干渉しても、無用な摩擦を生むだけです。時には相手のやり方に任せ、一歩引いて状況を見守る冷静さも必要です。自分の立場や役割をわきまえ、言うべき時と言うべきでない時を見極める沈黙の知恵は、現代の複雑な人間関係やプロジェクトを円滑に進める上で大いに役立ちます。
この章句が説くこと
沈黙の知恵対人関係状況判断
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