師導古典を学びたいすべての人に

荀子 / 大略篇

國將興,必貴師而重傅,貴師而重傅,則法度存。國將衰,必賤師而輕傅;賤師而輕傅,則人有快;人有快則法度壞。

新字:国将興,必貴師而重傅,貴師而重傅,則法度存。国将衰,必賤師而輕傅;賤師而輕傅,則人有快;人有快則法度壊。

書き下し

国将(まさ)に興らんとすれば、必ず師を貴びて傅(ふ)を重んず。師を貴びて傅を重んずれば、則ち法度存す。国将に衰へんとすれば、必ず師を賤しみて傅を軽んず。師を賤しみて傅を軽んずれば、則ち人に快(かい)有り。人に快有れば則ち法度壊る。

現代語訳

国が興ろうとするときは、必ず師を尊び、傅役(教育係)を重んじる。師を尊び傅を重んじれば、法と制度は保たれる。国が衰えようとするときは、必ず師を軽んじ、傅役を軽視する。師を軽んじ傅を軽視すれば、人々は勝手気ままに振る舞うようになる。人が勝手気ままになれば、法と制度は壊れていく。

解説

国の盛衰を見分ける指標として、荀子は「その国が師をどう扱っているか」を挙げます。教育を担う者が尊重されている国は、法と制度が守られ、そこから興っていく。逆に教育者が軽んじられる国では、人々が「自分の好きにしてよい」と思い始め、その気ままさがやがて法と制度そのものを崩していく、というのです。荀子は人の本性を放っておけば乱れる方向に流れると見る立場ですから、師とは、その流れをせき止めて型を与える存在にほかなりません。師を軽んじることは、型を与える仕組みそのものを捨てることになります。これは組織にもそのまま当てはまります。人を育てる役割が評価されず、教える人が敬われない職場は、ルールが形骸化し、やがて崩れていきます。誰が新人を育てているのか、その働きに敬意が払われているか。点検してみる価値があります。

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ