荀子 / 大略篇
君子壹教,弟子壹學,亟成。
新字:君子壱教,弟子壱學,亟成。
書き下し
君子壹(もっぱ)ら教へ、弟子壹ら学べば、亟(すみ)やかに成る。
現代語訳
師たる君子がひたすら一つのことに専心して教え、弟子もひたすら一つのことに専心して学べば、成果はすみやかに上がる。
解説
わずか十字ほどの短い一句ですが、学びの効率を決めるものは何かを言い当てています。「壹(いつ)」は、あれこれ手を広げずに一点に集中する、心を二つに分けないという意味です。教える側が方針をぶらさず一貫して教え、学ぶ側も気を散らさず一つのことに打ち込む。この二つが噛み合ったとき、上達は驚くほど速くなる、というのです。逆に言えば、進みが遅い原因の多くは才能ではなく、教える側と学ぶ側のどちらかが散漫になっていることにあります。私たちの仕事や勉強でも、教材を次々に変えたり、指導方針が担当者ごとにばらついたりすると、時間だけが過ぎていきます。まず学ぶ対象を一つに絞り、教える側もメッセージを統一する。それだけで習得の速度は変わります。