荀子 / 大略篇
雨小,漢故潛。夫盡小者大,積微者箸,德至者色澤洽,行盡而聲問遠,小人不誠於內而求之於外。
新字:雨小,漢故潜。夫尽小者大,積微者箸,徳至者色沢洽,行尽而声問遠,小人不誠於内而求之於外。
書き下し
雨小なれば、漢(かん)故(ゆゑ)に潜(ひそ)む。夫(そ)れ小を尽くす者は大なり、微(び)を積む者は箸(あらは)る。徳至る者は色沢(しきたく)洽(あまね)く、行ひ尽きて声問(せいぶん)遠し。小人は内に誠ならずして之を外に求む。
現代語訳
雨は小さなしずくにすぎず、だからこそ漢水はひそやかに深まっていく。そもそも小さなことを尽くす者こそが大きくなり、わずかなものを積み重ねる者こそがはっきりと世に現れる。徳が行きとどいた者は顔つやまでうるおい、行いを尽くしてこそ評判は遠くまで届く。小人は自分の内側を誠実にしないまま、外側にばかり評判を求める。
解説
小さなものが大きなものをつくる、という荀子がくり返し説くテーマの一段です。雨のしずくは一粒ずつでは何ほどのこともありませんが、それが川を深くしていく。小を尽くす者が大となり、微を積む者が世に現れる。ここまでは積み重ねの話ですが、後半で話は内と外の関係へ移ります。徳が満ちた人は顔つやにまで現れ、行いを尽くしてこそ評判が遠くまで届く。つまり、外に現れるものはすべて内側の結果だというのです。ところが小人は逆をやります。内を誠実にする手間をかけずに、外側の評価だけを取りにいく。今の言葉でいえば、実力を積む前に見せ方だけを整えるようなものです。順序は変えられません。内を満たせば、外は勝手についてくる。急がば回れを、雨と川のイメージで教えてくれます。
この章句が説くこと
積微小を尽くす内が外に現れる誠実さ
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