荀子 / 大略篇
以賢易不肖,不待卜而後知吉。以治伐亂,不待戰而後知克。
新字:以賢易不肖,不待卜而後知吉。以治伐乱,不待戦而後知克。
書き下し
賢(けん)を以て不肖(ふしょう)に易(か)ふるは、卜(ぼく)を待ちて而(しか)る後に吉なるを知るにあらず。治を以て乱を伐(う)つは、戦ひを待ちて而る後に克(か)つを知るにあらず。
現代語訳
賢者を用いて愚か者と取り替えるのであれば、占いの結果を待つまでもなく、それが吉であることはわかっている。治まった国が乱れた国を討つのであれば、実際に戦ってみるまでもなく、勝つことはわかっている。
解説
占わなくてもわかることがある、という荀子らしい合理の一段です。愚か者を退けて賢者を据えるなら、その人事が吉であることは占いを待つまでもない。国内が治まった側が乱れた側を討つなら、勝敗は戦う前から見えている。結果は、事が起きてから決まるのではなく、それ以前の条件によってすでにほとんど決まっている、という見方です。荀子は天や神の意志に運命を預けることを一貫して退け、人が整えられるものを整えよと説きます。ここでもその姿勢が、二つの短い断定に凝縮されています。私たちの仕事に置き換えれば、勝負は本番ではなく準備で決まるということです。誰を配置し、どんな体制で臨むか。そこが決まった時点で、結果の大半はもう出ている。占いに頼りたくなったら、まず条件を見直すべきなのです。