荀子 / 大略篇
下臣事君以貨,中臣事君以身,上臣事君以人。
書き下し
下臣は君に事ふるに貨を以てし、中臣は君に事ふるに身を以てし、上臣は君に事ふるに人を以てす。
現代語訳
下等の臣は財貨をもって主君に仕え、中等の臣は自分の身をもって主君に仕え、上等の臣は人材をもって主君に仕える。
解説
仕える者を三つの段階に分けた、鮮やかな一段です。最も低いのは財貨で仕える臣。金品を差し出して機嫌を取る類で、君主のためというより自分の保身のためです。次が身をもって仕える臣。自分の労力と誠実さのすべてを注ぎ込む、立派な働き手です。しかし荀子が最上とするのは、人をもって仕える臣でした。すぐれた人材を見出して主君に推挙する。それは自分一人が働くよりはるかに大きな力を国にもたらすからです。この序列は現代の組織にもそのまま生きています。物やお金で貢献する段階、自分が全力で動く段階、そして人を育て人をつなぐ段階。自分が今どこにいて、どこへ進もうとしているのか。この三段階は、そのまま成長の階段として読めます。