荀子 / 大略篇
霜降逆女,冰泮殺止,十日一御。
書き下し
霜降には女を逆へ、氷泮くれば殺止す。十日に一たび御す。
現代語訳
霜が降りる季節になったら嫁を迎え、氷が解ける季節になれば婚礼を取りやめる。夫婦が共に過ごすのは十日に一度とする。
解説
婚礼の時期と、夫婦の交わりの頻度について定めた一段です。霜が降りて農作業が一段落する季節に婚礼を行い、氷が解けて春の耕作が始まる頃には取りやめる。人の営みを自然のめぐりと農事の暦に合わせるという発想です。後半の十日に一度という規定も、欲を否定するのではなく、そこに節度の枠をはめるという荀子らしい考え方を示しています。人の欲望は消せない。しかし放っておけば際限がない。だから枠をあらかじめ決めておく、というわけです。現代の私たちが婚礼の季節を暦で縛ることはありませんが、発想そのものは生きています。忙しさや欲求に流されず、あらかじめ時期と頻度を決めておく。その事前のルール化こそが、暮らしを持続可能にしてくれます。
この章句が説くこと
婚礼の季節農事の暦節度欲を枠づける
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