荀子 / 大略篇
既葬,君若父之友食之則食矣,不辟梁肉,有酒醴則辭。
新字:既葬,君若父之友食之則食矣,不辟梁肉,有酒醴則辞。
書き下し
既に葬れば、君若しくは父の友之に食らはしむれば則ち食らふ。梁肉を辟けず、酒醴有れば則ち辞す。
現代語訳
埋葬をすませたあと、主君や父の友人が食事を勧めてくれたなら、その厚意を受けて食べる。上等な穀物や肉であっても避けはしない。ただし、酒や甘酒が出されたときはこれを辞退する。
解説
喪に服す人の食事の作法を述べた一段です。親を失った直後は粗食に耐えるのが礼ですが、埋葬を終えたあと、主君や父の友人といった目上の人が食事を勧めてくれた場合には、遠慮せずにいただきます。上等な穀物や肉が出ても押し返さない。相手の厚意を無にしないためです。しかし酒だけは辞退する。酒は楽しみのための飲み物であり、喪中の身が受けるべきものではないからです。ここに礼の絶妙な均衡があります。悲しみを守ることと、他人の思いやりを受け取ることは、どちらも大切で、どちらか一方に偏ってはいけない。私たちも、つらいときに人の親切を頑なに拒んでしまうことがあります。受け取るべきものは受け取り、譲れない一線だけは守る。その加減を教えてくれる一段です。
この章句が説くこと
喪の作法厚意を受ける節度酒を辞す
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