荀子 / 大略篇
言語之美,穆穆皇皇。朝廷之美,濟濟鎗鎗。
新字:言語之美,穆穆皇皇。朝廷之美,済済鎗鎗。
書き下し
言語の美は、穆穆皇皇たり。朝廷の美は、済済鎗鎗たり。
現代語訳
言葉づかいの美しさとは、和やかで奥ゆかしく、しかも堂々として輝かしいものである。朝廷の美しさとは、人々が数多く威儀を整えて並び、節度ある音が響き合うものである。
解説
言葉と場の、二つの美しさを対にして描いた一段です。穆穆は静かで慎み深いさま、皇皇は明るく堂々としたさまを表します。この二つが同居しているのが良い言葉づかいだと荀子は言います。つまり、へりくだるばかりでも、声高に押し出すばかりでもいけない。落ち着きと張りが両立してはじめて人の言葉は美しい。朝廷についても同じで、済済は人がずらりと威儀正しく並ぶさま、鎗鎗は佩玉や車の鈴が節度ある音を立てるさまです。整った場からは自然と心地よい音が立つ、というわけです。私たちの会議や打ち合わせにも通じます。話す言葉に慎みと芯の両方があるか、その場に節度ある調子が保たれているか。美しさは飾りではなく、秩序が整っていることの現れなのです。