荀子 / 大略篇
殺大蚤,朝大晚,非禮也。治民不以禮,動斯陷矣。
新字:殺大蚤,朝大晩,非礼也。治民不以礼,動斯陥矣。
書き下し
殺すこと大いに蚤く、朝すること大いに晩きは、礼に非ざるなり。民を治むるに礼を以てせざれば、動けば斯ち陥る。
現代語訳
祭りの犠牲を屠るのが早すぎ、朝廷に参るのが遅すぎるのは、礼ではない。民を治めるのに礼によらなければ、動くたびに落とし穴にはまることになる。
解説
時機の外れた行いは礼ではない、と説く一段です。祭りに供える犠牲を早く屠りすぎるのも、朝廷に出るのが遅すぎるのも、どちらも定められた時をはずしており、礼にかなっていません。早すぎても遅すぎてもいけない。礼には、ふさわしい時というものが組み込まれているのです。そして荀子は続けて、民を治めるのに礼によらなければ、動くたびに落とし穴にはまると言います。行為そのものが正しく見えても、時機を外せば効果を失い、かえって害になるということです。私たちの仕事でも、報告が早すぎて情報が足りない、遅すぎて手遅れになる、ということが起こります。何をするかと同じくらい、いつするかが結果を決める。段取りとは、内容だけでなく時機を設計することなのだと、この短い一段は教えてくれます。