荀子 / 大略篇
禮之大凡:事生、飾驩也,送死、飾哀也,軍旅、施威也。
新字:礼之大凡:事生、飾驩也,送死、飾哀也,軍旅、施威也。
書き下し
礼の大凡は、生に事うるは驩を飾るなり、死を送るは哀を飾るなり、軍旅は威を施すなり。
現代語訳
礼の大筋はこうである。生きている者に仕えるのは喜びを整えて表すためであり、死者を送るのは悲しみを整えて表すためであり、軍隊の礼は威厳を示すためである。
解説
礼の全体を三つに要約した一段です。生きている人に仕える礼は喜びを整えて表すためのもの、死者を送る礼は悲しみを整えて表すためのもの、軍隊における礼は威厳を示すためのもの。ここで使われている飾るという言葉は、うわべを取り繕うことではなく、内にある感情を然るべき形に整えて外に表す、という意味です。喜びも悲しみも、放っておけば形を持たずに流れ去るか、あるいは度を越して人を損ないます。それを受け止められる器に整えるのが礼の働きなのです。祝いの席、弔いの場、いずれにも作法があるのは、感情に居場所を与えるためだと考えると、形式の意味が見えてきます。私たちも、うれしいときにきちんと祝い、悲しいときにきちんと悼むことで、その感情を過不足なく生き切ることができます。