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荀子 / 成相篇

請成相,言治方,君論有五約以明。君謹守之,下皆平正,國乃昌。臣下職,莫游食,務本節用財無極。事業聽上,莫得相使,一民力。守其職,足衣食,厚薄有等明爵服。利往卬上,莫得擅與,孰私得?君法明,論有常,表儀既設民知方。進退有律,莫得貴賤、孰私王?君法儀,禁不為,莫不說教名不移。脩之者榮,離之者辱,孰它師?刑稱陳,守其銀,下不得用輕私門。罪禍有律,莫得輕重威不分。請牧祺,明有基,主好論議必善謀。五聽脩領,莫不理續主執持。聽之經,明其請,參伍明謹施賞刑。顯者必得,隱者復顯,民反誠。言有節,稽其實,信誕以分賞刑必。下不欺上,皆以情言,明若日。上通利,隱遠至,觀法不法見不視。耳目既顯,吏敬法令莫敢恣。君教出,行有律,吏謹將之無鈹滑。下不私請,各以宜,舍巧拙。臣謹脩,君制變,公察善思論不亂。以治天下,後世法之成律貫。

新字:請成相,言治方,君論有五約以明。君謹守之,下皆平正,国乃昌。臣下職,莫游食,務本節用財無極。事業聴上,莫得相使,一民力。守其職,足衣食,厚薄有等明爵服。利往卬上,莫得擅与,孰私得?君法明,論有常,表儀既設民知方。進退有律,莫得貴賤、孰私王?君法儀,禁不為,莫不説教名不移。脩之者栄,離之者辱,孰它師?刑稱陳,守其銀,下不得用輕私門。罪禍有律,莫得輕重威不分。請牧祺,明有基,主好論議必善謀。五聴脩領,莫不理続主執持。聴之経,明其請,参伍明謹施賞刑。顕者必得,隠者復顕,民反誠。言有節,稽其実,信誕以分賞刑必。下不欺上,皆以情言,明若日。上通利,隠遠至,観法不法見不視。耳目既顕,吏敬法令莫敢恣。君教出,行有律,吏謹将之無鈹滑。下不私請,各以宜,舎巧拙。臣謹脩,君制変,公察善思論不乱。以治天下,後世法之成律貫。

書き下し

請う成相(せいしょう)せん、治(ち)の方(みち)を言わん、君の論に五有り約(つづ)めて以て明らかなり。君謹んで之を守らば、下は皆平正にして、國乃ち昌(さか)えん。臣下は職とし、游食(ゆうしょく)する莫(な)く、本(もと)に務め用を節すれば財は極(つ)くる無し。事業は上に聽き、相(あい)使うことを得る莫くば、民力は一(いつ)なり。其の職を守れば、衣食足り、厚薄に等有りて爵服(しゃくふく)明らかなり。利は往(ゆ)きて上に卬(あお)ぎ、擅(ほしいまま)に與うるを得る莫くば、孰(たれ)か私(ひそ)かに得ん。君の法明らかに、論に常有り、表儀(ひょうぎ)既に設(もう)けらるれば民は方(みち)を知る。進退に律有り、貴賤を得る莫くば、孰か王を私せん。君の法儀あり、禁ずれば為さず、教えを說(よろこ)ばざる莫く名は移らず。之を脩むる者は榮え、之を離るる者は辱(はずかし)めらる、孰(いず)れをか它(た)に師とせん。刑は稱(かな)いて陳(の)べられ、其の銀(かぎり)を守らば、下は用うるを得ずして私門を輕んず。罪禍に律有り、輕重を得る莫くば威は分かれず。請う祺(さいわい)を牧(おさ)めん、明には基(もとい)有り、主(しゅ)論議を好めば必ず謀(はかりごと)を善くす。五聽(ごちょう)修め領(おさ)まらば、理(おさ)まり續(つづ)かざる莫く主は執り持す。聽くの經(つね)は、其の請(じょう)を明らかにするにあり、參伍(さんご)明謹(めいきん)にして賞刑を施す。顯(あき)らかなる者は必ず得られ、隱れたる者も復(ま)た顯れ、民は誠に反(かえ)る。言に節有り、其の實を稽(かんが)え、信と誕(いつわり)とを以て分かたば賞刑必ず當(あ)たる。下は上を欺かず、皆情(まこと)を以て言い、明らかなること日の若(ごと)し。上通じ利(とど)こおらず、隱れたるも遠きも至り、法と不法とを觀(み)、視ざるをも見る。耳目既に顯らかなれば、吏(り)は法令を敬(つつし)みて敢えて恣(ほしいまま)にする莫し。君の教え出づれば、行うに律有り、吏は謹んで之を將(おこな)いて鈹滑(ひかつ)無し。下は私(ひそ)かに請わず、各(おのおの)宜しきを以てし、巧拙(こうせつ)を舍(お)く。臣謹んで脩め、君は變を制し、公(おおやけ)に察し善く思わば論は亂れず。以て天下を治めば、後世之に法(のっと)りて律(のり)を成し貫かん。

現代語訳

さあ成相の歌をうたおう。今度は政治のやり方を語ろう。君主が押さえるべき要点は五つ、まとめれば明らかになる。君主が謹んでこれを守れば、下の者はみな公平で正しくなり、国は栄える。臣下は自分の職務に励み、遊び暮らして食う者がなく、農業という根本に努め、支出を節約すれば、財は尽きることがない。事業はすべて上の指示に従い、勝手に人を使い合うことがなければ、民の力は一つに集まる。それぞれが職分を守れば衣食は足り、待遇に厚薄の等級を設けて爵位と服制を明らかにする。利益は上へ集まって君主を仰ぎ、勝手に与えることができなければ、誰も私腹を肥やせない。君主の法が明らかで、議論に一定の基準があり、手本となる基準が立てられていれば、民は進むべき道を知る。進退に規律があり、身分を勝手に上下できなければ、誰が王を私物化できようか。君主に法と規範があり、禁じれば誰も行わず、その教えを喜ばない者がなく、名分は動かない。それを修める者は栄え、それに背く者は辱めを受ける。ほかに何を師とする必要があろうか。刑罰は罪に見合って定められ、その限度が守られれば、下の者は勝手に刑罰を用いることができず、権門も軽んじられる。罪と罰に規定があり、勝手に軽重を変えられなければ、君主の威信は分散しない。さあ幸いを守り育てよう。政治の明るさには土台がある。君主が議論を好めば、必ずよい計画が生まれる。五つの聴き取りの法が整えば、すべてが筋道立って続き、君主はしっかりと主導権を握る。人の言葉を聴く筋道は、その実情をはっきりさせることにある。あれこれ照らし合わせて明らかにし、慎重に賞と罰を行う。表に現れた事実は必ずつかみ、隠れた事実もやがて現れ、民は誠実さに立ち返る。言葉には節度があり、その中身を吟味し、真実と偽りとを分ければ、賞罰は必ず的中する。下の者は上を欺かず、みな真情をこめて語り、その明らかなことは太陽のようだ。上へ通じる道が滞りなく開けば、隠れた事も遠くの事も届き、法にかなうものとかなわぬものを見分け、見えないものまで見えるようになる。君主の耳と目が明らかであれば、役人は法令をつつしみ、勝手なふるまいをしなくなる。君主の命令が出れば、実行には規律があり、役人は慎重にこれを行って、勝手にねじ曲げたりごまかしたりしない。下の者は私的な口利きを頼まず、それぞれふさわしいやり方で行い、小手先の巧拙を問題にしない。臣下がつつしんで身を修め、君主が変化に応じて制度を整え、公平に観察してよく考えれば、議論は乱れない。これによって天下を治めれば、後の世の人もこれにならい、変わらぬきまりとして貫いてゆくだろう。

解説

最後の一段は、政治の具体的な仕組みを歌にしたものです。ここまでの三段が賢者を用いよ、讒言を退けよという人の話だったのに対し、第四段は制度の話に移ります。柱は二つです。一つは職分と法。臣下は職務に専念し、勝手に人を使わず、待遇に等級を設け、刑罰は罪に見合った基準を守る。法が明確であれば民は迷わず、権門が私的に人を動かすこともできなくなります。もう一つは情報の流れ。君主は議論を好み、言葉の実情を確かめ、証拠を照らし合わせて賞罰を行う。そうすれば、下は上を欺かず皆情を以て言い明らかなること日の若し——嘘をつく必要がなくなり、報告は太陽のように明るくなります。裏を返せば、賞罰が実態とずれている組織では、人は必ず取り繕うということです。ルールをはっきりさせ、事実を確かめてから評価する。この二つを地道に回すことが、結局いちばん人を正直にします。自分の職分と評価基準が周囲に見えているか、点検してみてください。

この一句を、あなたの毎日に。

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