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荀子 / 礼論篇

故王者天太祖,諸侯不敢壞,大夫士有常宗,所以別貴始;貴始得之本也。

新字:故王者天太祖,諸侯不敢壊,大夫士有常宗,所以別貴始;貴始得之本也。

書き下し

故に王者は太祖を天とし、諸侯は敢えて壊らず、大夫・士に常宗有るは、始めを貴ぶを別つ所以なり。始めを貴ぶは、徳の本なり。

現代語訳

だから王者は始祖を天とともに祭り、諸侯はその廟をあえて壊すことをせず、大夫や士には代々受け継ぐ本家の宗廟がある。これらはみな、始まりを貴ぶ心を、身分に応じて区別して示すためである。始まりを貴ぶこと、それが徳の根本なのである。

解説

前段の三本のうち、先祖という根本を制度の面から説明した短い一段です。天子は始祖を天と並べて祭り、諸侯はその廟を壊さず守り、大夫や士も代々受け継ぐ本家の宗廟を持つ。立場によって形は違っても、いずれも始まりを貴ぶという一点で通じている、という指摘です。そしてその始まりを貴ぶ心こそが徳の根本だと荀子は言い切ります。ここには、自分がどこから来たのかを忘れない人だけが人として厚みを持つ、という見方があります。組織で言えば創業の理念、仕事で言えば最初にその仕事を教えてくれた人、暮らしで言えば家族の歴史にあたるでしょう。新しいことばかり追いかけていると、この始まりへの敬意が薄れがちです。年に一度でも原点を確かめる機会を持つことが、荀子の言う徳の土台を保つ実践になります。

この一句を、あなたの毎日に。

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