荀子 / 君道篇
請問為國?曰聞修身,未嘗聞為國也。君者儀也,民者景也,儀正而景正。君者槃也,民者水也,槃圓而水圓。君者盂也,盂方而水方。君射則臣決。楚莊王好細腰,故朝有餓人。故曰:聞修身,未嘗聞為國也。
新字:請問為国?曰聞修身,未嘗聞為国也。君者儀也,民者景也,儀正而景正。君者槃也,民者水也,槃円而水円。君者盂也,盂方而水方。君射則臣決。楚荘王好細腰,故朝有餓人。故曰:聞修身,未嘗聞為国也。
書き下し
請う問う、国を為むるは。曰く、身を修むるを聞くも、未だ嘗て国を為むるを聞かざるなり。君は儀なり、民は景なり、儀正しければ景正し。君は槃なり、民は水なり、槃円ければ水円し。君は盂なり、盂方なれば水方なり。君射れば則ち臣決す。楚の荘王細腰を好み、故に朝に餓人有り。故に曰く、身を修むるを聞くも、未だ嘗て国を為むるを聞かざるなり、と。
現代語訳
お尋ねしたい、国を治めるにはどうすればよいか。答えて言う、我が身を修めるということは聞いたことがあるが、国を治めるということは聞いたことがない。君主は日時計の柱であり、民はその影である。柱がまっすぐなら影もまっすぐになる。君主は水盤であり、民は水である。水盤が丸ければ水も丸くなる。君主は器であり、器が四角ければ水も四角くなる。君主が弓を射れば臣下は弓かけをはめて弓を引くようになる。楚の荘王が細い腰を好んだので、朝廷には飢えてやせた者が出た。だから言うのだ、我が身を修めるということは聞いたことがあるが、国を治めるということは聞いたことがない、と。
解説
「国を治める方法など聞いたことがない、聞いたことがあるのは身を修めることだけだ」。挑発的にも聞こえるこの答えは、君道篇でもっとも引かれる一節です。荀子は続けて三つの比喩を重ねます。君主は日時計の柱で民はその影、柱が傾けば影も傾く。君主は水を入れる器で民は水、器が丸ければ水も丸くなる。君主が弓を好めば臣下も弓を引く。そして楚の荘王が細い腰を好んだために、朝廷に飢えてやせた者が現れたという例を挙げます。上の好みは、命令されなくても下に写し取られてしまう。だから統治とは技術ではなく、まず自分自身の姿勢を正すことだ、というのが荀子の主張です。人を動かす立場にある人ほど、この話は重く響きます。部下やチームの様子が気になるとき、まず見るべきは彼らではなく、彼らが日々写している自分の背中のほうかもしれません。
この章句が説くこと
修身君は儀なり民は景なり楚の荘王と細腰率先垂範
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