荀子 / 王制篇
王者之人:飾動以禮義,聽斷以類,明振毫末,舉措應變而不窮,夫是之謂有原。是王者之人也。
新字:王者之人:飾動以礼義,聴断以類,明振毫末,舉措応変而不窮,夫是之謂有原。是王者之人也。
書き下し
王者の人は、動を飾るに礼義を以てし、聴断するに類を以てし、明らかなること毫末を振るい、挙措は変に応じて窮せず。夫れ是れを之れ原有りと謂う。是れ王者の人なり。
現代語訳
王者に仕える人物は、その立ち居ふるまいを礼義によって整え、物事を聴いて裁くのに前例や類推の筋道を用い、その明晰さは細い毛の先までも見分けるほどで、その処置は状況の変化に応じてどこまでも行き詰まることがない。これを「源を持っている」という。これが王者の人物である。
解説
王者のもとに集う人材の条件を述べた短い段です。まず立ち居ふるまいを礼義で整えること。次に、物事を裁くときに筋道立った類推を用いること。そして毛の先ほどの細部まで見抜く明晰さを持ち、状況が変わってもいくらでも対応できること。荀子はこれを「原有り」、つまり源泉を持っていると表現します。ここが要点です。あらゆる場面に対応できるのは、細かなマニュアルを大量に暗記しているからではなく、そこから一貫した原理を引き出せるからだ、というのです。源から水が尽きずに湧くように、原則を握っている人は、未知の局面でも応用が利いて枯渇しない。私たちが学ぶときも、事例やノウハウを断片的に集めるだけでは、想定外の場面で止まってしまいます。なぜそうするのかという根っこの理由まで降りて理解しておくこと。それが変化に強い人の条件です。