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荀子 / 王制篇

王奪之人,霸奪之與,彊奪之地。奪之人者臣諸侯,奪之與者友諸侯,奪之地者敵諸侯。臣諸侯者王,友諸侯者霸,敵諸侯者危。

新字:王奪之人,覇奪之与,彊奪之地。奪之人者臣諸侯,奪之与者友諸侯,奪之地者敵諸侯。臣諸侯者王,友諸侯者覇,敵諸侯者危。

書き下し

王は之が人を奪い、覇は之が与を奪い、彊は之が地を奪う。之が人を奪う者は諸侯を臣とし、之が与を奪う者は諸侯を友とし、之が地を奪う者は諸侯を敵とす。諸侯を臣とする者は王たり、諸侯を友とする者は覇たり、諸侯を敵とする者は危うし。

現代語訳

王者は人の心を奪い取り、覇者は味方となる同盟国を奪い取り、力ずくの強国は土地を奪い取る。人の心を奪う者は諸侯を臣下とし、同盟を奪う者は諸侯を友とし、土地を奪う者は諸侯を敵に回す。諸侯を臣下とする者は王者となり、諸侯を友とする者は覇者となり、諸侯を敵とする者は危うくなる。

解説

わずか数十字で、荀子は覇権の三類型を切り分けます。王者が奪うのは人の心、覇者が奪うのは味方、力任せの強国が奪うのは土地です。そして結果は正反対になる。人の心を得た者には諸侯が自ら臣従し、味方を得た者は友として遇され、土地を奪った者は行く先々で敵を作る。奪う対象が何であるかによって、周囲との関係の質そのものが変わってしまうという指摘です。ここには、目に見える成果を最短距離で取りに行くほど、目に見えない基盤を失うという逆説があります。ビジネスでも同じで、価格や短期のシェアを力ずくで奪えば市場は焦土化し、次に組む相手がいなくなります。逆に、顧客の信頼や協力者の共感という取りにくいものを積み上げた側が、最後には人も取引先も引き寄せる。何を奪いに行くかを決めた時点で、勝ったあとの景色まで決まっているのです。

この一句を、あなたの毎日に。

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