貞観政要 / 災祥
太宗深納其言。
書き下し
太宗深く其の言を納る。
現代語訳
太宗は深くその言葉を受け入れた。
解説
災祥篇の締めくくりの一行です。洪水を自分の不徳のせいだと責め続ける太宗に対し、岑文本は「そこまで自分を責めなくてよいのです」と諫め、太宗は素直にその言葉を受け入れました。どちらの言い分も正しいところがあります。何かうまくいかないことがあったとき、まず自分に落ち度がなかったかを振り返る姿勢は大切です。ですがそれが行き過ぎて、必要以上に自分ばかりを責め続けると、かえって冷静な判断ができなくなり、周りも気を遣って本当のことを言いにくくなります。責任を引き受けて反省する姿勢と、行き過ぎた自責に歯止めをかける見方。この両方があって初めて、物事をきちんと立て直すことができるのです。子育てや仕事の失敗でも、自分を責めすぎている人には、誰かがそっと「そこまで責めなくていい」と声をかけてあげることが必要な場面があります。
この章句が説くこと
太宗深納其言責任と過剰な自責両方の視点