貞観政要 / 征伐
太宗甚善其言,特加優賜甚厚。
書き下し
太宗甚だ其の言を善しとし、特に優賜を加うること甚だ厚し。
現代語訳
太宗は大いにその言葉をよしとし、特に手厚く賜り物を与えた。
解説
征伐篇の最後を締めくくる短い一文です。後宮の女性である徐氏の諫めを、太宗は大いによしとして、手厚い褒美を与えました。この篇では、死の床にあった房玄齢の上表と、徐氏の上奏という、二つの諫めが描かれています。一人は重い病を抱えた老臣、もう一人は本来政治に関わらない立場の女性です。身分も、置かれた状況も、まったく違います。それでも二人とも、同じように高句麗への遠征をやめるよう伝えました。立場が違っても、伝えるべきことは同じだったのです。これは私たちの周りでも、年齢や役目に関わらず、同じ心配ごとを違う人が別々に口にする場面に重なります。誰が言うかより、何度も同じ声が上がることのほうが、実は真実に近いのかもしれません。
この章句が説くこと
太宗甚善其言特加優賜甚厚後宮からの諫言を受け入れる
関連する章句
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貞観政要・征伐太宗表を見て、嘆じて曰く、「此の人、危篤なること此くの如し。尚お能く我が国家を憂う」と。諫は従われずと雖も、終に善策と為す。
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貞観政要・征伐貞観十九年、太宗将に親ら高麗を征せんとす。開府儀同三司尉遅敬徳奏言す、「車駕若し自ら遼左に往かば、皇太子も又た国を定州に監す。東西の二京は、府庫の在る所なり。鎮守有りと雖も、終に是れ空虚なり。遼東は路遥かなり。恐らくは玄感の変有らん。且つ辺隅の小国は、親しく万乗を労するに足らず。若し克勝せば、武と為すに足らず。倘(も)し勝たずんば、翻って笑わるる所と為る。伏して請う、之を良将に委ねば、自ら時に応じて摧滅すべし」と。太宗は其の諫に従わずと雖も、識者は之を是とす。
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貞観政要・征伐貞観二十二年、太宗将に重ねて高麗を討たんとす。是の時、房玄齢は寝疾増劇す。顧みて諸子に謂いて曰く、「当今、天下は清謐にして、咸な其の宜しきを得たり。惟だ東のかた高麗を討たんと欲するのみ、主に国害と為る。吾は知りて言わずんば、恨みを銜(ふく)みて地に入ると謂うべし」と。遂に表を上りて諫めて曰く、
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貞観政要・求諫貞観五年、太宗房玄齢等に謂いて曰く、「古より帝王は多く情に任せて喜怒す。喜べば則ち濫りに無功を賞し、怒れば則ち濫りに無罪を殺す。是を以て天下喪乱す。此に由らざる莫し。朕は今、夙夜に未だ嘗て此を以て心と為さずんばあらず。恒に公等の情を尽くして極諫せんことを欲す。公等も亦た須らく人の諫語を受くべし。豈に人の言、己が意に同じからざるを以て、便ち即ち短を護りて納れざるを得んや。若し諫を受くる能わずんば、安(いず)くんぞ能く人を諫めんや」と。
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貞観政要・征伐貞観二十二年、軍旅亟(しばしば)動き、宮室互いに興る。百姓は頗る労弊有り。充容徐氏、疏を上りて諫めて曰く、
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貞観政要・君臣鑑戒太宗深く之を嘉納す。
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