貞観政要 / 征伐
貞觀二十二年,軍旅亟動,宮室互興,百姓頗有勞弊。充容徐氏上疏諫曰:
新字:貞観二十二年,軍旅亟動,宮室互興,百姓頗有労弊。充容徐氏上疏諫曰:
書き下し
貞観二十二年、軍旅亟(しばしば)動き、宮室互いに興る。百姓は頗る労弊有り。充容徐氏、疏を上りて諫めて曰く、
現代語訳
貞観二十二年、軍隊がたびたび動き、宮殿が次々に建てられた。民はかなり疲弊した。充容の徐氏が上奏して諫めた。
解説
充容の徐氏は、皇帝の後宮に仕える女性であり、本来は政治に口を出す立場ではありません。それでも、たびたびの戦や次々に建てられる宮殿で民が疲れ果てている様子を見かね、自ら筆を執って上奏しました。臣下たちがいくら諫めても軍事や普請が止まらない。ならば自分が言うしかない、という思いだったのでしょう。立場がないから黙っている、というのは理由にならないのです。これは現代の暮らしでも同じで、役目や肩書きがないからと遠慮して黙ってしまう場面は多くあります。しかし家庭でも近所付き合いでも、おかしいと感じたことを声に出せるかどうかは、立場の有無ではなく、その人の心構え次第なのです。
この章句が説くこと
充容徐氏上疏諫立場がなくても言う