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貞観政要 / 刑法

貞觀十四年,戴州刺史賈崇以所部有犯十惡者,被御史劾奏。太宗謂侍臣曰:「昔陶唐大聖,柳下惠大賢,其子丹朱甚不肖,其弟盜跖為臣惡。夫以聖賢之訓,父子兄弟之親,尚不能使陶染變革,去惡從善。今遣刺史,化被下人,咸歸善道,豈可得也?若令緣此皆被貶降,或恐遞相掩蔽,罪人斯失。諸州有犯十惡者,刺史不須從坐,但令明加糾訪科罪,庶可肅清奸惡。」

新字:貞観十四年,戴州刺史賈崇以所部有犯十悪者,被御史劾奏。太宗謂侍臣曰:「昔陶唐大聖,柳下恵大賢,其子丹朱甚不肖,其弟盗跖為臣悪。夫以聖賢之訓,父子兄弟之親,尚不能使陶染変革,去悪従善。今遣刺史,化被下人,咸帰善道,豈可得也?若令縁此皆被貶降,或恐逓相掩蔽,罪人斯失。諸州有犯十悪者,刺史不須従坐,但令明加糾訪科罪,庶可粛清奸悪。」

書き下し

貞観十四年、戴州刺史賈崇、部する所に十悪を犯す者有るを以て、御史の劾奏する所と被る。太宗侍臣に謂いて曰く、「昔、陶唐は大聖、柳下恵は大賢なり。其の子丹朱は甚だ不肖、其の弟盗跖は臣悪を為す。夫れ聖賢の訓を以てし、父子兄弟の親を以てすら、尚お陶染変革し、悪を去りて善に従わしむる能わず。今、刺史を遣わし、化は下人に被り、咸な善道に帰せしむるは、豈に得べけんや。若し此に縁りて皆な貶降せらるれば、或いは恐らくは逓(たが)いに相い掩蔽し、罪人斯に失われん。諸州に十悪を犯す者有らば、刺史は従坐するを須(もち)いず。但だ明らかに糾訪を加えて罪を科せしめば、庶(ちか)くは奸悪を粛清すべし」と。

現代語訳

貞観十四年、戴州刺史の賈崇が、管内に十悪を犯した者があったため、御史に弾劾された。太宗が側近の臣に言った。「昔、堯は大聖であり、柳下恵は大賢であった。それでも堯の子の丹朱は甚だ愚かで、柳下恵の弟の盗跖は悪を働いた。聖賢の教えをもってし、父子兄弟の親しさをもってしてすら、感化して悪を去らせ善に従わせることができなかった。今、刺史を派遣して、教化が民に及び、みな善き道に帰することが、できるだろうか。もしこれによってみな降格されれば、恐らく互いに隠し合い、罪人は見逃されるだろう。諸州で十悪を犯す者があっても、刺史は連座させるな。ただ明らかに調査して罪を科させれば、悪を清められよう」。

解説

戴州の長官賈崇は、管轄内に重い罪を犯した者が出たことで、自らも弾劾されてしまいました。一見、監督責任を厳しく問うのは正しいことのように思えます。しかし太宗はこれに待ったをかけます。堯のような立派な聖人の子でさえ愚か者になり、柳下恵のような賢者の弟でさえ盗人になった例を挙げ、「どれほど立派な教えや、親子兄弟という近しい間柄であっても、人を思いどおりに変えることはできない」と述べるのです。そのうえで、もし部下の罪で長官まで一律に降格させれば、「役人たちは互いにかばい合い、隠し合うようになり、かえって罪人が見逃されてしまう」と指摘します。これは今の職場にも通じる話です。部下の失敗をそのまま上司の責任にしてしまうと、失敗を報告しにくい雰囲気ができてしまい、問題はますます見えなくなっていくのです。

この章句が説くこと

或恐逓相掩蔽罪人斯失刺史不須従坐厳罰が隠蔽を生む

この一句を、あなたの毎日に。

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