貞観政要 / 刑法
太宗嘉之,賜帛三百段,仍授以大理寺丞。
書き下し
太宗之を嘉し、帛三百段を賜う。仍お授くるに大理寺丞を以てす。
現代語訳
太宗はこれをよしとし、絹三百段を賜った。そして大理寺丞に任じた。
解説
太宗はこの『大宝箴』の文章を高く評価し、絹三百段という手厚い褒美を与え、さらに法を扱う大理寺丞という役職まで授けました。文章の見事さを認めて、実際の仕事も任せたのです。しかし張蘊古はこの役職に就いた後、法を扱う役人として重い過ちを犯し、処刑されることになります。立派な言葉を書けることと、その言葉どおりに実際の仕事をやり遂げられることは、まったく別の話だということです。文章の理想を語ることと、日々の現場で正しく行うことの間には、思っている以上に深い溝があります。これは今の暮らしでも同じで、口では立派なことを言えても、実際の子育てや仕事の場面ではうまくいかない人がいます。言葉の見事さだけで人を信じきってしまう危うさを、この一段は教えてくれます。
この章句が説くこと
太宗嘉之賜帛三百段仍授以大理寺丞言葉と行いの溝