貞観政要 / 礼楽
謹按曾祖父母,舊服齊衰三月,請加為齊衰五月;嫡子婦,舊服大功,請加為期;眾子婦,舊服小功,今請與兄弟子婦同為大功九月;嫂叔,舊無服,今請服小功五月。其弟妻及夫兄亦小功五月。舅,舊服緦麻,請加與從母同服小功五月。
新字:謹按曽祖父母,旧服斉衰三月,請加為斉衰五月;嫡子婦,旧服大功,請加為期;衆子婦,旧服小功,今請与兄弟子婦同為大功九月;嫂叔,旧無服,今請服小功五月。其弟妻及夫兄亦小功五月。舅,旧服緦麻,請加与従母同服小功五月。
書き下し
謹んで按ずるに、曾祖父母は、旧服は斉衰三月。請う、加えて斉衰五月と為さん。嫡子の婦は、旧服は大功。請う、加えて期と為さん。衆子の婦は、旧服は小功。今請う、兄弟の子の婦と同じく大功九月と為さん。嫂叔は、旧は服無し。今請う、小功五月に服せん。其の弟の妻及び夫の兄も亦た小功五月。舅は、旧服は緦麻。請う、加えて従母と同じく小功五月に服せん。
現代語訳
謹んで調べますに、曾祖父母は、従来は斉衰三月の喪服でした。斉衰五月に加えることを願います。嫡子の妻は、従来は大功でした。一年に加えることを願います。他の子の妻は、従来は小功でした。今、兄弟の子の妻と同じく大功九月とすることを願います。兄嫁と義弟は、従来は喪服がありませんでした。今、小功五月とすることを願います。弟の妻と夫の兄も、小功五月とします。母方の伯叔父は、従来は緦麻でした。母方の伯叔母と同じく、小功五月に加えることを願います。
解説
これまでの議論の結論が、具体的な月数として示された一段です。曾祖父母への喪は三か月から五か月に延ばし、跡継ぎの息子の妻への喪は一年に、他の息子の妻への喪も九か月にそろえる。これまで喪服の定めがまったくなかった兄嫁と義理の弟妹の間にも、五か月の喪を新たに設ける。母方の伯父への喪も、伯母と同じ五か月に引き上げる。理屈をこねて終わるのではなく、何をどれだけ変えるのかを一つひとつ数字で示しているところが肝心です。家庭での決まり作りでも、地域の取り決めでも、「もっと思いやりを持とう」という掛け声だけでは何も変わりません。誰が何をどこまで負担するのかを具体的に決めて初めて、実際の暮らしが変わっていくのです。
この章句が説くこと
嫂叔旧無服今請服小功五月具体的な数字で示す理念から実装へ
関連する章句
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貞観政要・礼楽貞観十四年、太宗礼官に謂いて曰く、「爨(かしぎ)を同じくするすら尚お緦麻(しま)の恩有り。而るに嫂叔に服無し。又た舅の姨に与(お)けるは、親疎相い似たり。而るに服の殊なる有り。未だ礼を得たりと為さず。宜しく学者を集めて詳議せしむべし。余に親は重くして服の軽き者有らば、亦た附して奏聞せよ」と。是の月、尚書八座と礼官と議を定めて曰く、
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貞観政要・礼楽今、陛下は以為えらく、尊卑の敘は、煥乎として已に備わると雖も、喪紀の制は、或いは情理未だ安からず、と。爰に秩宗に命じ、詳らかに損益を議せしむ。臣等は明旨を奉遵し、類に触れて傍く求む。群経を采摭し、伝記を討論す。或いは抑え或いは引き、名を兼ね実を兼ぬ。其の余り有るを損じ、其の足らざるを益す。無文の礼をして咸な秩あらしめ、敦睦の情をして畢く挙がらしむ。薄俗を既往に変じ、篤義を将来に垂る。信に六籍の談ずる能わざる所、百王を超えて独り得たる者なり。
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貞観政要・礼楽『礼記』に曰く、「兄弟の子は猶お子のごときなり。蓋し引きて之を進むるなり。嫂叔の服無きは、蓋し推して之を遠ざくるなり」と。礼、継父の同居せば則ち之が為に期す。未だ嘗て同居せずんば則ち為に服せず。従母の夫、舅の妻、二人は相い為に服す。或いは曰く「爨を同じくすれば緦麻」と。然らば則ち継父は且つ骨肉に非ず。服の重きは爨を同じくするに由る。恩の軽きは異居に在り。固より知る、服を制するは名文に係ると雖も、蓋し亦た恩の厚薄に縁る者なり。或いは長年の嫂の、孩童の叔に遇い、劬労鞠養し、情は生む所の若く、饑を分かち寒を共にし、契闊して偕(とも)に老ゆる有り。同居の継父に譬え、他人の爨を同じくするに方(くら)ぶるに、情義の深浅、寧ぞ同日にして言うべけんや。其の生けるに在りては、乃ち愛は骨肉に同じく、其の死せるに於ては、則ち推して之を遠ざく。之を本源に求むるに、深く未だ喻らざる所なり。若し推して之を遠ざくるを是と為さば、則ち生きて共居すべからず。生きて共居するを是と為さば、則ち死して行路を同じくすべからず。其の生を重んじて其の死を軽んじ、其の始めを厚くして其の終わりを薄くす。情に称いて文を立つ。其の義は安くにか在る。且つ嫂に事えて称せらるるは、載籍に一に非ず。鄭仲虞は則ち恩礼甚だ篤し。顔弘都は則ち誠を竭くして感を致す。馬援は則ち之を見れば必ず冠す。孔伋は則ち之を哭して位を為す。此れ蓋し並びに躬ら教義を践み、仁は深く孝友なり。其の行う所の旨を察するに、豈に先覚者に非ずや。但だ時に於て上に哲王無く、礼は下の議する所に非ず。遂に深情をして千載に鬱せしめ、至理をして万古に蔵せしむ。其の来たること久し。豈に惜しからずや。
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貞観政要・礼楽臣窃かに之を聞く、礼は嫌疑を決し、猶予を定め、同異を別ち、是非を明らかにする所以の者なり。天より従うに非ず、地より出づるに非ず。人情のみ。人道の先んずる所は、九族を敦睦するに在り。九族の敦睦は、親を親しむに由る。近きを以て遠きに及ぶ。親属に等差有り。故に喪紀に隆殺有り。恩の薄厚に随い、皆な情に称いて以て文を立つ。原(たず)ぬるに夫れ舅の姨に与けるは、同気と為すと雖も、之を母に推せば、軽重相い懸(へだ)たる。何となれば、舅は母の本宗と為り、姨は乃ち外戚の他姓なり。之を母族に求むるに、姨は与(あず)からず。之を経史に考うるに、舅は誠に重しと為す。故に周王は斉を念い、是に舅甥の国と称す。秦伯は晋を懐い、実に『渭陽』の詩に切なり。今、舅に在りては服は止だ一時の情。姨の為には喪に居ること五月。名に徇(したが)い実を喪う。末を逐いて本を棄つ。此れ古人の情、或いは未だ達せざる有り。損益すべき所は、実に茲に在るか。
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貞観政要・礼楽貞観四年、太宗侍臣に謂いて曰く、「経(つね)に聞く、京城の士庶の父母の喪に居る者、乃ち巫書の言を信ずる有り。辰日は哭せずと。此を以て吊問を辞し、拘忌して哀を輟(や)む。俗を敗り風を傷り、極めて人理に乖(そむ)く。宜しく州県をして教導せしめ、之を斉うるに礼典を以てすべし」と。
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