貞観政要 / 礼楽
今陛下以為尊卑之敘,雖煥乎已備,喪紀之制,或情理未安,爰命秩宗,詳議損益。臣等奉遵明旨,觸類傍求,采摭群經,討論傳記,或抑或引,兼名兼實,損其有餘,益其不足,使無文之禮咸秩,敦睦之情畢舉,變薄俗於既往,垂篤義於將來,信六籍所不能談,超百王而獨得者也。
新字:今陛下以為尊卑之敘,雖煥乎已備,喪紀之制,或情理未安,爰命秩宗,詳議損益。臣等奉遵明旨,触類傍求,采摭群経,討論伝記,或抑或引,兼名兼実,損其有余,益其不足,使無文之礼咸秩,敦睦之情畢舉,変薄俗於既往,垂篤義於将来,信六籍所不能談,超百王而独得者也。
書き下し
今、陛下は以為えらく、尊卑の敘は、煥乎として已に備わると雖も、喪紀の制は、或いは情理未だ安からず、と。爰に秩宗に命じ、詳らかに損益を議せしむ。臣等は明旨を奉遵し、類に触れて傍く求む。群経を采摭し、伝記を討論す。或いは抑え或いは引き、名を兼ね実を兼ぬ。其の余り有るを損じ、其の足らざるを益す。無文の礼をして咸な秩あらしめ、敦睦の情をして畢く挙がらしむ。薄俗を既往に変じ、篤義を将来に垂る。信に六籍の談ずる能わざる所、百王を超えて独り得たる者なり。
現代語訳
今、陛下は、尊卑の序列は明らかに備わっているが、喪の制度は、情と理においてまだ安らかでないと考えられました。そこで礼を司る官に命じ、詳しく増減を議論させました。臣らはご意向を奉じ、類例に触れて広く求めました。諸経典を採り、伝記を検討しました。抑えるところは抑え、引き上げるところは引き上げ、名分と実質の両方を兼ねました。余りあるものを減らし、足りないものを増やしました。規定のない礼にも秩序を与え、睦まじさの情をすべて表せるようにしました。薄い風俗を過去に変え、篤い義を将来に伝えます。まことに六経が語り得なかったところ、百王を超えて独り得たものです。
解説
「余りあるものを減らし、足りないものを増やす」。改革の要点です。全部を壊すのでも、全部を守るのでもない。過剰なところを削り、不足しているところを補う。そして「規定のない礼にも秩序を与える」。今まで規定がなかった関係にも、正当な扱いを与えたのです。