貞観政要 / 礼楽
今陛下以為尊卑之敘,雖煥乎已備,喪紀之制,或情理未安,爰命秩宗,詳議損益。臣等奉遵明旨,觸類傍求,采摭群經,討論傳記,或抑或引,兼名兼實,損其有餘,益其不足,使無文之禮咸秩,敦睦之情畢舉,變薄俗於既往,垂篤義於將來,信六籍所不能談,超百王而獨得者也。
新字:今陛下以為尊卑之敘,雖煥乎已備,喪紀之制,或情理未安,爰命秩宗,詳議損益。臣等奉遵明旨,触類傍求,采摭群経,討論伝記,或抑或引,兼名兼実,損其有余,益其不足,使無文之礼咸秩,敦睦之情畢舉,変薄俗於既往,垂篤義於将来,信六籍所不能談,超百王而独得者也。
書き下し
今、陛下は以為えらく、尊卑の敘は、煥乎として已に備わると雖も、喪紀の制は、或いは情理未だ安からず、と。爰に秩宗に命じ、詳らかに損益を議せしむ。臣等は明旨を奉遵し、類に触れて傍く求む。群経を采摭し、伝記を討論す。或いは抑え或いは引き、名を兼ね実を兼ぬ。其の余り有るを損じ、其の足らざるを益す。無文の礼をして咸な秩あらしめ、敦睦の情をして畢く挙がらしむ。薄俗を既往に変じ、篤義を将来に垂る。信に六籍の談ずる能わざる所、百王を超えて独り得たる者なり。
現代語訳
今、陛下は、尊卑の序列は明らかに備わっているが、喪の制度は、情と理においてまだ安らかでないと考えられました。そこで礼を司る官に命じ、詳しく増減を議論させました。臣らはご意向を奉じ、類例に触れて広く求めました。諸経典を採り、伝記を検討しました。抑えるところは抑え、引き上げるところは引き上げ、名分と実質の両方を兼ねました。余りあるものを減らし、足りないものを増やしました。規定のない礼にも秩序を与え、睦まじさの情をすべて表せるようにしました。薄い風俗を過去に変え、篤い義を将来に伝えます。まことに六経が語り得なかったところ、百王を超えて独り得たものです。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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貞観政要・礼楽謹んで按ずるに、曾祖父母は、旧服は斉衰三月。請う、加えて斉衰五月と為さん。嫡子の婦は、旧服は大功。請う、加えて期と為さん。衆子の婦は、旧服は小功。今請う、兄弟の子の婦と同じく大功九月と為さん。嫂叔は、旧は服無し。今請う、小功五月に服せん。其の弟の妻及び夫の兄も亦た小功五月。舅は、旧服は緦麻。請う、加えて従母と同じく小功五月に服せん。
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貞観政要・礼楽臣窃かに之を聞く、礼は嫌疑を決し、猶予を定め、同異を別ち、是非を明らかにする所以の者なり。天より従うに非ず、地より出づるに非ず。人情のみ。人道の先んずる所は、九族を敦睦するに在り。九族の敦睦は、親を親しむに由る。近きを以て遠きに及ぶ。親属に等差有り。故に喪紀に隆殺有り。恩の薄厚に随い、皆な情に称いて以て文を立つ。原(たず)ぬるに夫れ舅の姨に与けるは、同気と為すと雖も、之を母に推せば、軽重相い懸(へだ)たる。何となれば、舅は母の本宗と為り、姨は乃ち外戚の他姓なり。之を母族に求むるに、姨は与(あず)からず。之を経史に考うるに、舅は誠に重しと為す。故に周王は斉を念い、是に舅甥の国と称す。秦伯は晋を懐い、実に『渭陽』の詩に切なり。今、舅に在りては服は止だ一時の情。姨の為には喪に居ること五月。名に徇(したが)い実を喪う。末を逐いて本を棄つ。此れ古人の情、或いは未だ達せざる有り。損益すべき所は、実に茲に在るか。
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貞観政要・倹約貞観十一年、詔して曰く、「朕聞く、死は終わりなり。物の真に反らんことを欲するなり。葬は蔵なり。人の見るを得ざらしめんと欲するなり。上古の垂風、未だ封樹を聞かず。後世の貽(のこ)す則、乃ち棺槨に備わる。僭侈を譏る者は、其の厚費を愛(お)しむに非ず。倹薄を美とする者は、実に其の危無きを貴ぶなり。是を以て唐堯は、聖帝なり。谷林に通樹の説有り。秦穆は、明君なり。橐泉に丘隴の処無し。仲尼は、孝子なり。防墓に墳せず。延陵は、慈父なり。嬴・博に隠すべし。斯れ皆な無窮の慮を懐き、独決の明を成す。乃ち体を九泉に便にし、名を百代に徇(もと)むるに非ざるなり。闔閭の礼に違い、珠玉を鳧雁と為し、始皇の度無く、水銀を江海と為し、季孫の魯を擅(ほしいまま)にし、斂むるに玙璠(よはん)を以てし、桓魋の宋を専らにし、葬るに石槨を以てするに洎(およ)びては、多く蔵するに因りて以て禍を速(まね)き、利有るに由りて辱を招かざるは莫し。玄廬既に発(あば)かれ、焚如を夜台に致す。黄腸再び開かれ、暴骸を中野に同じくす。詳らかに曩事(のうじ)を思うに、豈に悲しからずや。此に由りて之を観れば、奢侈なる者は以て戒と為すべく、節倹なる者は以て師と為すべし。朕は四海の尊に居り、百王の弊を承く。未だ明けざるに化を思い、中宵に戦惕(せんてき)す。送往の典は諸を儀制に詳らかにし、失礼の禁は刑書に著在すと雖も、而れども勲戚の家は多く習俗に流遁し、閭閻の内は或いは侈靡にして風を傷る。厚葬を以て奉終と為し、高墳を以て孝を行うと為す。遂に衣衾棺槨をして雕刻の華を極め、霊輀(れいじ)冥器をして金玉の飾を窮めしむ。富める者は法度を越えて以て相い尚び、貧しき者は資産を破りて逮ばず。徒らに教義を傷り、泉壤に益無し。害を為すこと既に深し。宜しく懲革を為すべし。其れ王公より以下、爰(ここ)に黎庶に及ぶまで、今より以後、送葬の具に令式に依らざる者有らば、州府県官をして明らかに検察を加え、状に随いて罪を科せしめよ。京に在る五品以上及び勲戚の家は、仍お録して奏聞せよ」と。
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貞観政要・礼楽貞観十四年、太宗礼官に謂いて曰く、「爨(かしぎ)を同じくするすら尚お緦麻(しま)の恩有り。而るに嫂叔に服無し。又た舅の姨に与(お)けるは、親疎相い似たり。而るに服の殊なる有り。未だ礼を得たりと為さず。宜しく学者を集めて詳議せしむべし。余に親は重くして服の軽き者有らば、亦た附して奏聞せよ」と。是の月、尚書八座と礼官と議を定めて曰く、
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貞観政要・礼楽貞観四年、太宗侍臣に謂いて曰く、「経(つね)に聞く、京城の士庶の父母の喪に居る者、乃ち巫書の言を信ずる有り。辰日は哭せずと。此を以て吊問を辞し、拘忌して哀を輟(や)む。俗を敗り風を傷り、極めて人理に乖(そむ)く。宜しく州県をして教導せしめ、之を斉うるに礼典を以てすべし」と。
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貞観政要・刑法今来古往、俯察仰観するに、惟だ辟(きみ)のみ福を作す。君と為るは実に難し。普天の下に宅し、王公の上に処る。土に任じて其の有する所を貢し、具僚は其の唱うる所に和す。是の故に恐懼の心は日に弛み、邪僻の情は転た放(ほしいまま)なり。豈に知らんや、事は忽(ゆるが)せにする所に起こり、禍は無妄より生ずるを。故に聖人の命を受くるを以て、溺を拯(すく)い屯(なや)みを亨(とお)す。罪を己に帰し、恩を民に推す。大明は偏照する無く、至公は私親する無し。故に一人を以て天下を治む。天下を以て一人に奉ぜず。礼は以て其の奢を禁じ、楽は以て其の佚を防ぐ。左に言い右に事あり、出でては警め入りては蹕す。四時は其の慘舒を調え、三光は其の得失を同じくす。故に身は之が度と為り、声は之が律と為る。無知と謂う勿かれ、高きに居りて卑きを聴く。何の害あらんと謂う勿かれ、小を積みて大を成す。楽しみは極むべからず。楽を極むれば哀と成る。欲は縦(ほしいまま)にすべからず。欲を縦にすれば災と成る。九重を内に壮んにするも、居る所は膝を容るるに過ぎず。彼の昏は知らず、其の台を瑤にし其の室を瓊にす。八珍を前に羅(つら)ぬるも、食らう所は口に適するに過ぎず。惟だ狂は念う罔(な)く、其の糟を丘にし其の酒を池にす。内は色に荒(すさ)む勿かれ、外は禽に荒む勿かれ。得難きの貨を貴ぶ勿かれ、亡国の音を聴く勿かれ。内荒めば人性を伐り、外荒めば人心を蕩かす。得難きの物は侈、亡国の声は淫なり。我は尊しと謂いて賢に傲り士を侮る勿かれ。我は智なりと謂いて諫を拒み己を矜る勿かれ。之を夏后に聞く、饋(き)に拠りて頻りに起つ。亦た魏帝有り、裾を牽きて止まず。彼の反側を安んずること、春陽秋露の如し。巍巍蕩蕩たり、漢高の大度を推す。茲の庶事を撫すること、薄きを履み深きに臨むが如し。戦戦栗栗として、周文の小心を用う。
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