貞観政要 / 奢縦
貞觀十一年,侍御史馬周上疏陳時政曰:
新字:貞観十一年,侍御史馬周上疏陳時政曰:
書き下し
貞観十一年、侍御史馬周、疏を上りて時政を陳べて曰く、
現代語訳
貞観十一年、侍御史の馬周が上奏文を奉って、当時の政治について述べた。
解説
「奢縦」篇の最初に置かれた章句です。貞観十一年、侍御史という職にあった馬周が、上奏文を通して当時の政治のあり方について、自分の考えを率直に述べました。侍御史は決して高い地位ではありません。それでも馬周は、天下をすでに平定し、名君と称えられていた太宗に向かって、遠慮なく意見を書き記します。このあと続く章句では、民の暮らしぶりや、宮殿の造営のあり方について、かなり踏み込んだ指摘が展開されていきます。地位や年齢が上の人に対して物を言うのは、誰にとっても勇気のいることです。家庭で子どもが親に、新人が経験豊富な先輩に意見するときも同じでしょう。しかし、地位が低いことや、相手が立派な実績を持つことは、正しいと思うことを言わない理由にはなりません。むしろ、そうした率直な声にきちんと耳を傾けられるかどうかが、上に立つ人の器を決めるのです。
この章句が説くこと
馬周の上疏時政を陳べる地位と発言