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貞観政要 / 杜讒邪

尚書左仆射杜如晦奏言:「監察御史陳師合上《拔士論》,謂人之思慮有限,一人不可總知數職,以論臣等。」太宗謂戴胄曰:「朕以至公治天下,今任玄齡、如晦,非為勛舊,以其有才行也。此人妄事毀謗,止欲離間我君臣。昔蜀後主昏弱,齊文宣狂悖,然國稱治者,以任諸葛亮、楊遵彥不猜之故也。朕今任如晦等,亦復如法。」於是,流陳師合於嶺外。

新字:尚書左仆射杜如晦奏言:「監察御史陳師合上《抜士論》,謂人之思慮有限,一人不可総知数職,以論臣等。」太宗謂戴胄曰:「朕以至公治天下,今任玄齡、如晦,非為勛旧,以其有才行也。此人妄事毀謗,止欲離間我君臣。昔蜀後主昏弱,斉文宣狂悖,然国稱治者,以任諸葛亮、楊遵彥不猜之故也。朕今任如晦等,亦復如法。」於是,流陳師合於嶺外。

書き下し

尚書左僕射杜如晦奏言す、「監察御史陳師合、『抜士論』を上る。人の思慮に限り有り。一人は数職を総知すべからずと謂う。以て臣等を論ず」と。太宗戴冑に謂いて曰く、「朕は至公を以て天下を治む。今、玄齢・如晦に任ずるは、勲旧の為に非ず。其の才行有るを以てなり。此の人は妄りに毀謗を事とす。止だ我が君臣を離間せんと欲するのみ。昔、蜀の後主は昏弱、斉の文宣は狂悖なり。然れども国の治まると称せらるるは、諸葛亮・楊遵彦に任じて猜わざるを以ての故なり。朕は今、如晦等に任ず。亦復た法の如し」と。是に於て、陳師合を嶺外に流す。

現代語訳

尚書左僕射の杜如晦が奏上した。「監察御史の陳師合が『抜士論』を上りました。人の思慮には限りがあり、一人が数職を兼ねて司ることはできない、と述べ、それによって臣らを論じています」。太宗は戴冑に言った。「私は公正をもって天下を治めている。今、房玄齢と杜如晦に任じているのは、古い功臣だからではない。才能と行いがあるからだ。この者はみだりに誹謗を事としている。ただ我が君臣を離間させたいだけだ。昔、蜀の後主は暗愚で弱く、北斉の文宣帝は狂気じみていた。それでも国が治まったと言われるのは、諸葛亮と楊遵彦に任せて疑わなかったからだ。私は今、杜如晦らに任じている。同じやり方だ」。そこで陳師合を嶺南の外へ流した。

解説

「一人が数職を兼ねるのはよくない」。この主張自体は、もっともに聞こえます。しかし太宗は、離間の意図を見抜きました。正論の形をした攻撃があります。内容ではなく、それを言う動機と、それが誰を利するかを見る。「暗愚な君主でも、任せて疑わなければ国は治まる」。

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