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貞観政要 / 仁義

貞觀元年,太宗曰:「朕看古來帝王以仁義為治者,國祚延長,任法御人者,雖救弊於一時,敗亡亦促。既見前王成事,足是元龜,今欲專以仁義誠信為治,望革近代之澆薄也。」黃門侍郎王珪對曰:「天下彫喪日久,陛下承其餘弊,弘道移風,萬代之福。但非賢不理,惟在得人。」太宗曰:「朕思賢之情,豈舍夢寐!」給事中杜正倫進曰:「世必有才,隨時所用,豈待夢傅說,逢呂尚,然後為治乎?」太宗深納其言。

新字:貞観元年,太宗曰:「朕看古来帝王以仁義為治者,国祚延長,任法御人者,雖救弊於一時,敗亡亦促。既見前王成事,足是元龜,今欲専以仁義誠信為治,望革近代之澆薄也。」黄門侍郎王珪対曰:「天下彫喪日久,陛下承其余弊,弘道移風,万代之福。但非賢不理,惟在得人。」太宗曰:「朕思賢之情,豈舎夢寐!」給事中杜正倫進曰:「世必有才,随時所用,豈待夢傅説,逢呂尚,然後為治乎?」太宗深納其言。

書き下し

貞観元年、太宗曰く、「朕は古来の帝王を看るに、仁義を以て治を為す者は、国祚延長す。法に任じて人を御する者は、弊を一時に救うと雖も、敗亡も亦た促(すみ)やかなり。既に前王の成事を見る。是れ元亀と為すに足る。今、専ら仁義誠信を以て治を為し、近代の澆薄を革めんことを望むなり」と。黄門侍郎王珪対えて曰く、「天下彫喪して日久し。陛下は其の余弊を承け、道を弘め風を移す。万代の福なり。但だ賢に非ずんば理まらず。惟だ人を得るに在り」と。太宗曰く、「朕の賢を思うの情、豈に夢寐を舎(お)かんや」と。給事中杜正倫進みて曰く、「世に必ず才有り。時に随いて用うる所なり。豈に傅説を夢み、呂尚に逢うを待ちて、然る後に治を為さんや」と。太宗深く其の言を納る。

現代語訳

貞観元年、太宗が言った。「私は古来の帝王を見てきたが、仁義によって治めた者は、国運が長く続いた。法によって人を御した者は、一時の弊害を救えても、敗亡もまた速かった。すでに前の王たちの事跡を見た。これは大きな鑑とするに足りる。今、もっぱら仁義と誠信によって治め、近代の薄っぺらな風潮を改めたい」。黄門侍郎の王珪が答えて言った。「天下が荒れ果てて久しい。陛下はその残された弊害を受け継ぎ、道を広め風俗を改めようとされる。万代の福です。ただ賢者がなければ治まりません。ただ人を得ることにあります」。太宗は言った。「私が賢者を思う気持ちは、夢の中でも忘れない」。給事中の杜正倫が進み出て言った。「世には必ず才ある者がいます。時に応じて用いるのです。どうして傅説を夢に見、呂尚に出会うのを待ってから、治めるのですか」。太宗は深くその言葉を受け入れた。

解説

仁義篇の冒頭です。「法によって人を御した者は、一時の弊害を救えても、敗亡もまた速い」。法は即効性があります。しかし持続しません。仁義は遅いが、長く続く。そして人材について、太宗が「夢の中でも忘れない」と言うと、杜正倫は「夢を見るのを待つな」と切り返します。今いる人の中に、必ずいるのです。

この一句を、あなたの毎日に。

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