貞観政要 / 規諫太子
承乾覽書不悦。
新字:承乾覧書不悦。
書き下し
承乾書を覧て悦ばず。
現代語訳
承乾は書を読んで喜ばなかった。
解説
「承乾は書を読んで喜ばなかった」――たったこれだけの、短い一文です。しかしこの短さの中に、重い意味が込められています。怒って言い返すでもなく、罰を与えるでもなく、ただ喜ばなかった。つまり、于志寧の言葉は正面から受け止められることさえなく、黙って退けられたのです。反論すらしてもらえない。これは、忠告に対する最も冷たい応え方だと言えます。腹を立てられるほうが、まだ相手に届いた証です。無視されることは、その言葉がなかったことにされるのと同じだからです。家庭でも、誰かが勇気を出して伝えた本音に対して「そうか」の一言も返さず、聞かなかったことにしてしまうと、次からその人はもう何も言ってくれなくなります。承乾は、そうして自分を正してくれる声を、一つずつ失っていったのです。
この章句が説くこと
承乾覧書不悦無関心という反応怒りより冷たい