貞観政要 / 規諫太子
承乾不納。玄素又上書諫曰:
書き下し
承乾納れず。玄素又た書を上りて諫めて曰く、
現代語訳
承乾は聞き入れなかった。張玄素はまた上書して諫めた。
解説
「承乾は聞き入れなかった。張玄素はまた上書して諫めた」。短い一文ですが、ここに大事なことが表れています。一度言って相手が聞かなければ、多くの人はそこで引き下がります。角を立てず、自分の身を守るという意味では、それも十分に賢いやり方です。しかし張玄素は、聞き入れられなかったにもかかわらず、もう一度上書します。効果があるかどうかで言葉を選ぶのではなく、言うべきことだから言う、という姿勢です。この後、張玄素は承乾から命を狙われるほどの目に遭うことになりますが、それでも彼が言い続けたという事実は、こうして記録として今に伝わっています。結果がすぐに変わらないからといって、言うのをやめてしまえば、何も残りません。今の暮らしで言えば、子どもや部下に何度注意しても直らないとき、諦めて黙ってしまうか、それでも伝え続けるか、という場面に重なります。すぐに効果が出なくても、伝え続けることそのものに意味があるのです。
この章句が説くこと
承乾不納玄素又上書諦めない選択二度目を書く