貞観政要 / 規諫太子
赫矣聖唐,大哉靈命;時維大始,運鍾上聖。天縱皇儲,固本居正;機悟宏遠,神姿凝映。顧三善而必弘。祗四德而爲行。每趨庭而聞禮,常問寢而資敬。奉聖訓以周鏇,誕天文之明命。邁觀喬而望梓,即元龜與明鏡。自大道雲革,禮教斯起,以正君臣,以篤父子。君臣之禮,父子之親,盡情義以兼極,諒弘道之在人。豈夏啟與周誦,亦丹朱與商均。既雕且琢,溫故知新。惟忠與敬,曰孝與仁。則可以下光四海,上燭三辰。昔三王之教子,兼四時以齒學;將交發於中外,乃先之以禮樂。樂以移風易俗,禮以安上化人。非有悦於鍾鼓,將宣志以和神。寧有懷於玉帛,將克己而庇身。生於深宮之中,處於群後之上,未深思於王業,不自珍於匕鬯。謂富貴之自然,恃崇高以矜尚,必恣驕狠,動愆禮讓,輕師傅而慢禮儀,狎奸諂而縱淫放。前星之耀遽隱,少陽之道斯諒。雖天下之爲家,蹈夷儉之非一。或以才而見升,或見讒而受黜。足可以省厥休咎,觀其得失。請粗略而陳之,覬披文而相質。
新字:赫矣聖唐,大哉霊命;時維大始,運鍾上聖。天縦皇儲,固本居正;機悟宏遠,神姿凝映。顧三善而必弘。祗四徳而為行。毎趨庭而聞礼,常問寝而資敬。奉聖訓以周鏇,誕天文之明命。邁観喬而望梓,即元亀与明鏡。自大道雲革,礼教斯起,以正君臣,以篤父子。君臣之礼,父子之親,尽情義以兼極,諒弘道之在人。豈夏啓与周誦,亦丹朱与商均。既雕且琢,温故知新。惟忠与敬,曰孝与仁。則可以下光四海,上燭三辰。昔三王之教子,兼四時以歯学;将交発於中外,乃先之以礼楽。楽以移風易俗,礼以安上化人。非有悦於鍾鼓,将宣志以和神。寧有懐於玉帛,将克己而庇身。生於深宮之中,処於群後之上,未深思於王業,不自珍於匕鬯。謂富貴之自然,恃崇高以矜尚,必恣驕狠,動愆礼譲,軽師傅而慢礼儀,狎奸諂而縦淫放。前星之耀遽隠,少陽之道斯諒。雖天下之為家,蹈夷倹之非一。或以才而見升,或見讒而受黜。足可以省厥休咎,観其得失。請粗略而陳之,覬披文而相質。
書き下し
赫たり聖唐、大なるかな霊命。時は維(こ)れ大始、運は上聖に鍾(あつ)まる。天は皇儲を縦(ゆる)し、本を固くし正に居らしむ。機悟は宏遠、神姿は凝映す。三善を顧みて必ず弘め、四徳を祗(つつし)みて行と為す。趨庭する毎に礼を聞き、常に寝を問いて敬に資(と)る。聖訓を奉じて以て周旋し、天文の明命を誕(の)ぶ。喬を観るを邁(すす)め梓を望む。即ち元亀と明鏡なり。大道の革(あらた)まりてより、礼教斯に起こる。以て君臣を正し、以て父子を篤くす。君臣の礼、父子の親、情義を尽くして以て兼ね極む。諒(まこと)に道を弘むるは人に在り。豈に夏の啓と周の誦、亦た丹朱と商均のみならんや。既に雕り且つ琢き、故きを温めて新しきを知る。惟れ忠と敬、曰く孝と仁。則ち以て下は四海を光らし、上は三辰を燭(て)らすべし。昔、三王の子を教うるや、四時を兼ねて以て学に齒す。将に中外に交々(こもごも)発せんとす。乃ち之に先んずるに礼楽を以てす。楽は以て風を移し俗を易(か)え、礼は以て上を安んじ人を化す。鐘鼓に悦ぶ有るに非ず。将に志を宣べて以て神を和せんとす。寧ぞ玉帛に懐う有らんや。将に己に克ちて以て身を庇わんとす。深宮の中に生まれ、群后の上に処る。未だ深く王業を思わず、自ら匕鬯(ひちょう)を珍とせず。富貴を自然と謂い、崇高を恃みて矜尚す。必ず驕狠を恣にし、動もすれば礼譲に愆(たが)う。師傅を軽んじて礼儀を慢(あなど)り、奸諂に狎(な)れて淫放を縦(ほしいまま)にす。前星の耀き遽(にわ)かに隠れ、少陽の道斯に諒(うす)し。天下を家と為すと雖も、夷倹を蹈むこと一に非ず。或いは才を以て升(のぼ)らるるを見、或いは讒を見て黜(しりぞ)けを受く。足れり以て厥(そ)の休咎を省み、其の得失を観るに。請う、粗ぼ略して之を陳べん。文を披(ひら)きて相い質さんことを覬(こいねが)う。
現代語訳
輝かしい唐、大いなる天命。時はまさに始まりの時、運は聖なる君に集まりました。天は皇太子を生み、根本を固くし正しい位に置かれた。機知と悟りは広く遠く、姿は凝り輝いています。三つの善を顧みて広め、四つの徳を慎んで行いとする。庭を通るたびに礼を聞き、常に安否を問うて敬を養う。聖なる訓えを奉じて振る舞い、天の明らかな命を述べる。高きを望み、亀卜と明鏡を手本とされる。大いなる道が改まってから、礼と教えが起こりました。それによって君臣を正し、父子を篤くする。君臣の礼、父子の親、情と義を尽くして極める。まことに道を広めるのは人にあります。夏の啓や周の誦ばかりでなく、丹朱や商均もいたのです。彫り、磨き、故きを温めて新しきを知る。忠と敬、孝と仁。それで下は四海を照らし、上は日月星を照らせます。昔、三王が子を教えた時、四季を通じて学校で年齢の順に従わせました。内外に発揮させようとしたのです。まず礼と楽をもってした。楽は風俗を変え、礼は上を安んじ人を教化する。鐘や太鼓が楽しいのではない。志を述べて心を和らげるためです。玉や帛を思うのではない。己に克って身を守るためです。深い宮中に生まれ、群臣の上に立つ。まだ深く王業を思わず、自ら祭器を貴ばない。富貴を当然と思い、高い地位を恃んで誇る。必ず驕りをほしいままにし、ともすれば礼と譲りに背く。師傅を軽んじて礼儀を侮り、へつらう者に馴れ、放埒をほしいままにする。太子の星の輝きは急に隠れ、その道は薄れる。天下を家としても、平坦な道を踏まない者は一人ではない。才によって上げられる者もあれば、讒言によって退けられる者もある。その吉凶を省み、得失を見るには十分です。おおまかに述べましょう。この文を開いて、共に問い直したいのです。
解説
この章句が説くこと
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貞観政要・尊敬師傅臣聞く、四方を郊迎するは、孟侯の徳を成す所以なり。学に齒して三たび譲るは、元良の是に由りて貞を作す。斯れ皆な主祀の尊を屈し、下交の義を申(の)ぶ。故に芻言も咸な薦むるを得、睿問も旁く通ず。軒庭を出でずして、坐して天壌を知る。茲の道に率由し、永く鴻基を固くする者なり。生まれて深宮の中に在り、長じて婦人の手に在るが若きに至りては、未だ曾て憂懼を識らず、風雅を暁(さと)る由無し。復た神機測られず、天縦の生知なりと雖も、而も物を開き務を成すは、終に外の獎(すす)めに由る。夫の彼の干籥を崇び、茲の謡頌を聴くに匪(あら)ずんば、何を以て庶類を辨章し、彜倫を甄覈(けんかく)せんや。歴(あまね)く聖賢を考うるに、咸な玉を琢くに資る。是の故に周の儲は上哲なるも、望・奭を師として裕(ゆたか)さを加う。漢の嗣は深仁なるも、園・綺を引きて徳を昭らかにす。原(たず)ぬるに夫れ太子は、宗祧の是れ係る所なり。善悪の際、興亡斯に在り。始めに勤めずんば、将に終わりに悔いん。是を以て晁錯は書を上りて、政術に通ぜしめんとす。賈誼は策を献じて、礼教を知るに務む。窃かに惟うに、皇太子は玉裕挺生し、金声夙に振るう。明允篤誠の美、孝友仁義の方、皆な天姿より挺(ぬき)んず。審諭を労するに非ず。固より華夷は徳を仰ぎ、翔泳も風を希(ねが)う。然らば則ち寝門に膳を視るは、已に三朝に表る。芸宮に道を論ずるは、宜しく四術に弘むべし。春秋に富むと雖も、躬を飭(つつし)むこと漸有り。実に恐る、歳月は往き易く、業を墮ちて譏りを興し、適を晏安に取ること、此より始まらんことを。臣は愚短を以て、幸いに侍従に参ず。儲明を広めんことを思い、暫く聞徹せんことを願う。敢えて曲げて故事を陳べず。切に請う、聖徳を以て之を言わん。
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貞観政要・規諫太子惟だ聖上の慈愛のみ、義方を至道に訓う。政を漢幄に論ずるに同じく、致戒を京鄗に修む。『韓子』の賜う所を鄙とし、経術を重んじて以て宝と為す。政理の美悪を咨(と)い、亦た文身の黼藻(ほそう)とす。庶(ちか)くは愚夫に択ぶ有り、遺老に言を乞うに慚ず。庶績を咸寧に致すは、先ず人を得るを盛と為す。帝堯は則哲を以て謨を垂れ、文王は多士を以て詠を興す。之を正人に取り、之を霊鏡に鑒(かんが)む。其の器能を量り、其の検行を審らかにす。必ず宜しく機を度りて職を分かつべし。方に違いて以て政に従うべからず。若し其れ聴受に惑い、人を知るに暗ければ、則ち有道の者は咸な屈し、無用の者は必ず伸ぶ。讒諛は競い進みて以て媚を求め、玩好は召さずして自ら臻(いた)る。直言正諫は、忠信を以てして罪を穫(え)、売官鬻獄(いくごく)は、貨賄を以てして親(したし)まる。是に於て我が王度を虧き、我が彜倫を斁(やぶ)る。九鼎は奸回に遇いて遠く逝き、万姓は我を撫するを望みて仁に帰す。蓋し造化の至育、惟だ人霊を貴しと為す。獄訟理まらずんば、生死の異塗有り。冤結伸びずんば、陰陽の和気に乖(そむ)く。士の通塞は、之を属するに深文を以てす。命の修短は、之を懸くるに酷吏を以てす。是の故に帝堯は像を画き、恤隠の言を陳ぶ。夏禹は辜(つみ)に泣き、哀矜の志を尽くす。象を『大壮』に取るに因り、乃ち宇を峻(たか)くして牆を雕(ほ)る。瑤台と瓊室とを将(もっ)てす。豈に画棟と虹梁のみならんや。或いは雲を凌ぎて以て遐(はる)かに観、或いは天に通じて涼を納る。醉飽を極めて人力を刑し、痿蹶(いけつ)を命じて身殃を受く。是を以て言うに十家の産を惜しみ、漢帝は倹を昭らかにして裕を垂る。百里の囿を成すと雖も、周文は子来を以て克く昌ゆ。彼の嘉会にして礼通ず、旨酒の徳為るを重んず。帰るを忘れて祉(さいわい)を受くるに至るは、斉聖にして温克なるに在り。若し其れ酗醟して以て昏を致し、酖湎(ちんめん)して忒(とく)を成さば、痛ましきかな殷受と灌夫、亦た身を亡ぼして国を喪う。是を以て伊尹は酣歌を以て戒を作り、周公は邦を乱すを以て則を貽(のこ)す。咨(ああ)幽閑の令淑、実に君子の好逑なり。玉輦を辞して愛を割くは、固より班姫の恥ずる所なり。簪珥を脱して愆を思うは、亦た宣姜の美と為す。乃ち晋を禍せし驪姫、周を喪ぼせし褒姒有り。妖妍を図画に尽くし、凶悖を人理に極む。城を傾け国を傾く。後王に昭示せんことを思う。麗質冶容、宜しく永く前史に鑒むべし。復た蒐狩の礼、弛射の場有り。之を節するに正義を以てせずんば、必ず自ら禽荒を致さん。匪(ひ)とり外形の疲極するのみならず、亦た中心も発狂す。夫れ高深を懼れざるは、胥靡の徒なり。韝緤(こうせつ)を娯しみと為すは、小豎の事なり。宗社の崇重を以て、先王の名器を持ち、鷹犬と並び駆け、艱険を凌ぎて轡を逸す。馬に銜橛(かんけつ)の理有り、獣は駭(おどろ)きて存せざるの地なり。猶お獲多きに靦(は)ずる有らんや。独り情無くして内に愧じざるか。
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貞観政要・規諫太子臣聞く、皇天に親無し。惟だ徳のみ是れ輔く。苟も天道に違わば、人神同じく棄つ。然れども古の三駆の礼は、殺を教うるを欲するに非ず。将に百姓の為に害を除かんとす。故に湯は一面を羅(あみ)し、天下は仁に帰す。今、苑内の娯猟は、名は游畋に異なりと雖も、若し之を行いて恒無くんば、終に雅度を虧かん。且つ傅説曰く、「学びて古を師とせずんば、説の聞く攸(ところ)に匪ず」と。然らば則ち道を弘むるは古を学ぶに在り。古を学ぶは必ず師訓に資る。既に恩詔を奉じ、孔穎達をして侍講せしむ。望むらくは数々顧問を存し、以て万一を補え。仍お博く名行有る学士を選び、兼ねて朝夕に侍奉せしめよ。聖人の遺教を覧、既往の行事を察せば、日に其の足らざる所を知り、月に其の能くする所を忘るる無し。此れ則ち尽く善く尽く美なり。夏の啓・周の誦も焉(いず)くんぞ言うに足らんや。夫れ人上と為る者、未だ其の善を求めざる有らず。但だ性は情に勝たず、耽惑して乱を成すを以てなり。耽惑既に甚だしければ、忠言は尽く塞がる。所以に臣下は苟も順い、君道は漸く虧く。古人に言有り、「小悪を以て去らずということ勿かれ。小善を以て為さずということ勿かれ」と。故に知る、禍福の来たるは、皆な漸より起こるを。殿下は地は儲貳に居る。当に須らく広く嘉猷を樹つべし。既に好畋の淫有らば、何を以て斯の匕鬯を主らんや。終わりを慎むこと始めの如くするも、猶お漸く衰えんことを恐る。始めすら尚お慎まずんば、終わり将た安くんぞ保たん。
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貞観政要・尊敬師傅伏して惟うに、陛下は睿を誕(う)み図に膺(あた)り、登庸して歴試す。多才多芸、道は時を匡すに著る。允(まこと)に文允に武、功は祀を纂(つ)ぐに成る。万方即ち叙し、九囲清晏なり。尚お且つ休(よ)しと雖も休しとする勿く、日に一日を慎み、異聞を振古に求め、睿思を当年に労す。乙夜に書を観るは、事は漢帝より高し。馬上に巻を披(ひら)くは、勤は魏王に過ぐ。陛下の自ら励むこと此くの如し。而るに太子をして優遊して日を棄て、図書を習わざらしむ。臣の未だ諭(さと)らざる一なり。加うるに暫く機務を屏(しりぞ)くれば、即ち雕虫に寓す。宝思を天文に紆(めぐ)らせば、則ち長河も映を韜(つつ)む。玉華を仙札に摛(の)ぶれば、則ち流霞も彩を成す。固より万代を錙銖(ししゅ)とし、百王に冠冕たり。屈・宋も以て堂に升るに足らず。鍾・張も何ぞ室に入るに階せんや。陛下の自ら好むこと此くの如し。而るに太子は悠然として静処し、篇翰を尋ねず。臣の未だ諭らざる二なり。陛下は衆妙を備え該(か)ね、独り寰中に秀(ひい)ず。猶お天聡を晦(くら)まし、俯して凡識に詢(と)う。聴朝の隟(ひま)に、群官を引見し、降すに温顔を以てし、訪ぬるに今古を以てす。故に朝廷の是非、閭里の好悪、凡そ巨細有るは、必ず聞聴に関す。陛下の自ら行うこと此くの如し。而るに太子をして久しく趨りて入侍せしめ、正人に接せしめず。臣の未だ諭らざる三なり。陛下若し益無しと謂わば、則ち何事ぞ神を労せん。若し成る有りと謂わば、則ち宜しく厥(そ)れを貽(のこ)すを申(の)ぶべし。蔑(な)みして急とせざるは、未だ其の可なるを見ず。伏して願わくは俯して睿範を推し、訓を儲君に及ぼし、授くるに良書を以てし、之を娯しますに嘉客を以てせよ。朝には経史を披き、成敗を前蹤に観る。晩には賓遊に接し、得失を当代に訪う。間(まじ)うるに書札を以てし、継ぐに篇章を以てせば、則ち日に未だ聞かざる所を聞き、日に未だ見ざる所を見ん。副德は愈々光り、群生の福なり。
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貞観政要・規諫太子下臣は側らに先聖の格言を聞き、嘗て載籍の遺則を覧る。伊(こ)れ天地の玄造、皇王の建国に洎(およ)ぶ。曰く、人紀と人綱は、立言と立徳とに資る、と。之を履めば則ち性に率いて道を成す。之に違えば則ち念(おも)う罔(な)くして忒(たが)いを作す。興廃を望むこと鈞(きん)に従うが如く、吉凶を視ること糾餧(きゅうい)の如し。乃ち図を受け籙に膺(あた)り、鏡を握りて君臨するに至る。万物の化を思うに因り、百姓を以て心と為す。大儀の潜運を体し、往古を来今に閲す。善を乙夜に尽くし、勤労を寸陰に惜しむ。故に能く層氷を瀚海に釈き、寒谷を蹛林(たいりん)に変ず。人霊を総べて以て胥(あ)い悦び、穹壌を極めて音を懐(なつ)かしむ。
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貞観政要・規諫太子小臣の愚鄙を以て、不赀(ふし)の恩栄を忝(かたじけな)くす。無庸を草沢に擢(ぬきん)で、陋質を簪纓に齒す。大道行われて両儀泰(やす)きに遇い、元良会して万国貞なるを喜ぶ。監撫の暇多きを以て、講論する毎に肅(つつし)みて成る。仰ぎ惟うに神の敏速なる、将聖の聡明を歎ず。賢を秋実に礼してより、道を春卿に帰するに足る。芳年淑景、時和し気清し。華殿は邃(ふか)くして簾幃は静かなり。灌木は森として風雲は軽し。花は香を飄(ひるがえ)して笑日を動かし、嬌鶯は囀(さえず)りて相い哀鳴す。物華の繁靡なるを以て、尚お思いを将迎に絶つ。猶お允(まこと)に蹈みて倦まず、耽玩を極めて研精す。庸才に命じて筆を載せしめ、藻を天庭に摛(の)ぶるを謝す。洞簫の娯侍に異なり、飛蓋の縁情に殊なり。雅言を闕(か)きて以て徳を讃う。恩に報いんことを思いて生を軽んず。敢えて下拝して稽首し、永く風声を樹てんことを願う。皇霊の遐寿を奉じ、振古の鴻名に冠たらんことを。
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