貞観政要 / 尊敬師傅
太宗乃令洎與岑文本、馬周遞日往東宮,與皇太子談論。
新字:太宗乃令洎与岑文本、馬周逓日往東宮,与皇太子談論。
書き下し
太宗乃ち洎と岑文本・馬周とをして日を逓(かわ)るがわる東宮に往かしめ、皇太子と談論せしむ。
現代語訳
太宗はそこで、劉洎と岑文本・馬周に、日を交代で東宮に行かせ、皇太子と語り合わせた。
解説
尊敬師傅篇を締めくくる一行です。劉洎の上奏を受けて、太宗は劉洎・岑文本・馬周という三人の重臣を、日を交代しながら東宮に通わせ、皇太子と語り合わせました。息子をそばに置いておきたいという自分の気持ちを抑え、外に出て学べる環境を整えたのです。ここで見落とせないのは、師を一人に決めず、三人が入れ替わりで通ったという点です。一人の師だけに任せれば、太子はその人の考え方や癖にそのまま染まってしまいます。三人であれば、それぞれの物の見方や語り口に触れることができ、偏りが小さくなります。子どもの教育でも、一人の先生や一つの塾だけに頼るのではなく、いろいろな大人や年上の人と話す機会を持たせることが、考え方の幅を広げることにつながります。太宗の采配には、そうした細やかな配慮が表れています。
この章句が説くこと
逓日往東宮三人の重臣を交代で多様な視点