貞観政要 / 封建
太宗並嘉納其言。於是竟罷子弟及功臣世襲刺史。
書き下し
太宗並びに其の言を嘉納す。是に於て竟に子弟及び功臣の世襲刺史を罷む。
現代語訳
太宗は両者の言葉をともによしとして受け入れた。そこでついに、一族と功臣の世襲刺史を取りやめた。
解説
封建篇を締めくくる一行です。太宗はここで、李百薬と馬周、二人の臣下の上奏をともによしとして受け入れ、自ら定めて実行しようとしていた仕組みをきっぱりと撤回しました。しかも取りやめたのは、一族と功臣という、太宗にとって最も身近で大切な人々に代々与えるはずだった特権です。一度公に発表したことを取り下げるのは、誰にとっても格好の悪いことです。家庭でも、親が一度言った約束を「やっぱりやめる」と言うのは気まずいものですし、地域の役員会でも、決めた方針を覆すのは勇気がいります。それでも太宗は、道理にかなった意見であれば、たとえ自分の面目より優先させました。決めたことに固執せず、正しい話には素直に耳を傾けて改める。ここに、貞観の政治を支えた芯の強さがあります。
この章句が説くこと
竟罷世襲刺史決めたことを撤回する面目より正しさ