貞観政要 / 封建
中書舍人馬周又上疏曰:
新字:中書舎人馬周又上疏曰:
書き下し
中書舎人馬周、又た疏を上りて曰く、
現代語訳
中書舎人の馬周が、また上奏文を奉って言った。
解説
わずか一行ですが、封建篇の流れを大きく変える一文です。中書舎人の馬周が、李百薬に続いてまた上奏文を差し出した、というだけの記述です。李百薬はすでに歴史をさかのぼり、周と秦の違いを制度と天の巡り合わせから論じ尽くしていました。それでも太宗は、もう一人の臣下の言葉に耳を傾けます。同じ結論であっても、別の人が別の角度から言えば、説得する力は一段と増すものです。一人だけの反対意見は「あの人の変わった考え」として片付けられがちですが、二人、三人と同じ方向の声が上がれば、それは真剣に検討すべき論点に変わります。会議でも家族の話し合いでも、一人が言っても流されることが、複数の人が違う言い方で伝えると初めて重く受け止められる、ということはよくあります。李百薬は歴史と制度から論じましたが、この後に続く馬周は、もっと身近で具体的な現実から切り込んでいきます。
この章句が説くこと
馬周の上疏別角度からの反論論点の重み