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貞観政要 / 封建

封君列國,藉其門資,忘其先業之艱難,輕其自然之崇貴,莫不世增淫虐,代益驕侈。離宮別館,切漢淩雲,或刑人力而將盡,或召諸侯而共樂。陳靈則君臣悖禮,共侮徵舒;衛宣則父子聚麀,終誅壽、朔。乃云為己思治,豈若是乎?內外群官,選自朝廷,擢士庶以任之,澄水鏡以鑒之,年勞優其階品,考績明其黜陟。進取事切,砥礪情深,或俸祿不入私門,妻子不之官舍。班條之貴,食不舉火;剖符之重,居惟飲水。南陽太守,弊布裹身;萊蕪縣長,凝塵生甑。專云為利圖物,何其爽歟!總而言之,爵非世及,用賢之路斯廣;民無定主,附下之情不固。此乃愚知所辨,安可惑哉?至如滅國弒君,亂常幹紀,春秋二百年間,略無寧歲。次睢咸秩,遂用玉帛之君;魯道有蕩,每等衣裳之會。縱使西漢哀、平之際,東洛桓、靈之時,下吏淫暴,必不至此。為政之理,可以一言蔽焉。

新字:封君列国,藉其門資,忘其先業之艱難,輕其自然之崇貴,莫不世增淫虐,代益驕侈。離宮別館,切漢淩雲,或刑人力而将尽,或召諸侯而共楽。陳靈則君臣悖礼,共侮徴舒;衛宣則父子聚麀,終誅寿、朔。乃云為己思治,豈若是乎?內外群官,選自朝廷,擢士庶以任之,澄水鏡以鑒之,年労優其階品,考績明其黜陟。進取事切,砥礪情深,或俸祿不入私門,妻子不之官舎。班条之貴,食不舉火;剖符之重,居惟飲水。南陽太守,弊布裹身;萊蕪県長,凝塵生甑。専云為利図物,何其爽歟!総而言之,爵非世及,用賢之路斯広;民無定主,附下之情不固。此乃愚知所辨,安可惑哉?至如滅国弒君,乱常幹紀,春秋二百年間,略無寧歲。次睢咸秩,遂用玉帛之君;魯道有蕩,毎等衣裳之会。縦使西漢哀、平之際,東洛桓、靈之時,下吏淫暴,必不至此。為政之理,可以一言蔽焉。

書き下し

封君列国は、其の門資を藉り、其の先業の艱難を忘れ、其の自然の崇貴を軽んず。世を増して淫虐ならざる莫く、代を益して驕侈ならざる莫し。離宮別館は、漢に切(せま)り雲を凌ぐ。或いは人力を刑して将に尽きんとし、或いは諸侯を召して共に楽しむ。陳の霊は則ち君臣礼に悖り、共に徴舒を侮る。衛の宣は則ち父子麀(ゆう)を聚め、終に寿・朔を誅す。乃ち己が為に治を思うと云うも、豈に是くの若くならんや。内外の群官は、朝廷より選ぶ。士庶を擢(ぬきん)でて以て之に任じ、水鏡を澄まして以て之を鑒(かんが)む。年労は其の階品を優にし、考績は其の黜陟を明らかにす。進取の事は切に、砥礪の情は深し。或いは俸禄は私門に入らず、妻子は官舎に之(ゆ)かず。班条の貴きも、食に火を挙げず。剖符の重きも、居ること惟だ水を飲むのみ。南陽の太守は、弊布もて身を裹(つつ)む。莱蕪の県長は、凝塵は甑(こしき)に生ず。専ら利の為に物を図ると云うは、何ぞ其れ爽(たが)えるや。総じて之を言えば、爵は世及に非ずんば、賢を用うるの路は斯に広し。民に定主無くんば、下に附くの情は固からず。此れ乃ち愚知の弁ずる所なり。安くんぞ惑うべけんや。滅国弑君、常を乱し紀を干(おか)すが如きに至りては、春秋二百年の間、略ぼ寧歳無し。次睢に咸秩し、遂に玉帛の君を用う。魯道蕩たる有り、等(ひと)しく衣裳の会を毎(つね)にす。縦(たと)い西漢の哀・平の際、東洛の桓・霊の時、下吏の淫暴なるも、必ず此に至らず。政を為むるの理は、一言を以て之を蔽うべし。

現代語訳

領地を封じられた諸侯は、家柄に頼り、先祖の事業の困難を忘れ、生まれながらの高貴さを軽んじます。代を重ねるごとに淫らで残虐になり、驕り奢らない者はありません。離宮や別館は天に迫り雲を凌ぐ。人の力を使い尽くし、諸侯を招いて共に楽しむ。陳の霊公は君臣で礼に背き、共に夏徴舒を侮辱しました。衛の宣公は父子で同じ女を娶り、ついに公子寿と公子朔を誅しました。自分のために国を治めるつもりだと言っても、こうなるのです。中央と地方の官は、朝廷が選びます。士や庶民から抜擢して任じ、澄んだ鏡のように見極める。年功はその階級を優遇し、勤務評定は昇降を明らかにする。前へ進もうとする気持ちは切実で、自らを磨く思いは深い。俸禄を私宅に入れず、妻子を官舎に連れて行かない者もいる。高い地位にありながら、食事に火を使わない。重い任にありながら、水を飲むだけで暮らす。南陽の太守は破れた布を身にまとい、莱蕪の県長は甑に埃が積もった。ひたすら利のために物を図る、というのは、なんと的外れでしょう。総じて言えば、爵位が世襲でなければ、賢者を用いる道は広い。民に定まった主がなければ、下に付く気持ちは固まらない。これは愚者でも分かることです。どうして惑うでしょうか。国を滅ぼし君を弑し、常を乱し綱紀を犯すことに至っては、春秋の二百年間、安らかな年はほとんどありません。ここに秩序を整えたはずが、玉帛を捧げる君主が犠牲にされた。魯の道は広々としていたはずが、平和の会盟が常となった。たとえ西漢の哀帝・平帝の頃、東漢の桓帝・霊帝の時、下級役人が淫らで暴虐であったとしても、決してここまでは至りませんでした。政治の道理は、一言で言い尽くせます。

解説

「世襲でなければ、賢者を用いる道は広い」。李百薬の結論です。世襲の領主は、先祖の苦労を知らず、生まれながらの地位を軽んじる。一方、任命された官は、評価され、昇降がある。だから自らを磨く。破れた布をまとう太守がいた。地位が保証されていないからこそ、人は努力するのです。

この一句を、あなたの毎日に。

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