貞観政要 / 納諫
貞觀四年,詔發卒修洛陽之乾元殿以備巡狩。給事中張玄素上書諫曰:
新字:貞観四年,詔発卒修洛陽之乾元殿以備巡狩。給事中張玄素上書諫曰:
書き下し
貞観四年、詔して卒を発し、洛陽の乾元殿を修めて以て巡狩に備えしむ。給事中張玄素書を上りて諫めて曰く、
現代語訳
貞観四年、詔を下して兵を動員し、洛陽の乾元殿を修復して行幸に備えさせた。給事中の張玄素が上書して諫めた。
解説
これは、この後に続く長い諫めの言葉の書き出しにあたる一文です。給事中という、決して高い地位ではない役人の張玄素が、皇帝の宮殿造営という一大事業に真正面から異を唱えます。地位が低いからといって黙っているのではなく、思うところをはっきり述べる。しかもこの諫めは、後に太宗自身が工事の中止を決断するほどの重みを持ちました。「多くの人がただ頷くだけなのは、一人が本気で反対を唱えることには及ばない」という言葉がこの後に続きます。会社でも家庭でも、周りに合わせて黙っている人が大勢いる中、一人だけ本音を言う人がいれば、物事が正しい方向に変わることがあります。地位や立場に関係なく、本当のことを言う勇気の大切さを、この短い書き出しは静かに物語っています。
この章句が説くこと
張玄素の上書乾元殿の造営給事中からの諫言