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貞観政要 / 求諫

太宗威容儼肅,百僚進見者,皆失其舉措。太宗知其若此,每見人奏事,必假顏色,冀聞諫諍,知政教得失。貞觀初,嘗謂公卿曰:「人欲自照,必須明鏡;主欲知過,必藉忠臣。主若自賢,臣不匡正,欲不危敗,豈可得乎?故君失其國,臣亦不能獨全其家。至於隋煬帝暴虐,臣下鉗口,卒令不聞其過,遂至滅亡,虞世基等,尋亦誅死。前事不遠,公等每看事有不利於人,必須極言規諫。」

新字:太宗威容儼粛,百僚進見者,皆失其舉措。太宗知其若此,毎見人奏事,必仮顏色,冀聞諫諍,知政教得失。貞観初,嘗謂公卿曰:「人欲自照,必須明鏡;主欲知過,必藉忠臣。主若自賢,臣不匡正,欲不危敗,豈可得乎?故君失其国,臣亦不能独全其家。至於隋煬帝暴虐,臣下鉗口,卒令不聞其過,遂至滅亡,虞世基等,尋亦誅死。前事不遠,公等毎看事有不利於人,必須極言規諫。」

書き下し

太宗の威容は儼粛(げんしゅく)なり。百僚の進見する者、皆な其の挙措を失う。太宗其の此くの若きを知り、人の事を奏するを見る毎に、必ず顔色を假(か)し、諫諍を聞き、政教の得失を知らんことを冀(こいねが)う。貞観の初め、嘗て公卿に謂いて曰く、「人自ら照らさんと欲せば、必ず明鏡を須(もち)う。主過ちを知らんと欲せば、必ず忠臣に藉(よ)る。主若し自ら賢とし、臣匡正せずんば、危敗せざらんと欲するも、豈に得べけんや。故に君其の国を失えば、臣も亦た独り其の家を全うする能わず。隋の煬帝の暴虐に至りては、臣下は口を鉗(と)ざす。卒(つい)に其の過ちを聞かざらしめ、遂に滅亡に至る。虞世基等も、尋いで亦た誅死せり。前事遠からず。公等、事の人に不利なる有るを看る毎に、必ず須らく極言して規諫すべし」と。

現代語訳

太宗の威容は厳めしく、参上する官僚たちは、みな挙動を失った。太宗はそれを知って、人が奏上するのを見るたびに、必ず表情を和らげ、諫言を聞いて政治の得失を知ろうと願った。貞観の初め、太宗は公卿に言った。「人が自分の姿を映そうとするなら、必ず澄んだ鏡が要る。君主が自分の過ちを知ろうとするなら、必ず忠臣が要る。君主が自分を賢いと思い込み、臣下がそれを正さなければ、危うくならずにいようとしても、できるものか。だから君主が国を失えば、臣下もまた自分の家を全うできない。隋の煬帝の暴虐に至っては、臣下はみな口を閉ざした。ついに自分の過ちを聞かせず、滅亡に至った。虞世基らも、まもなく誅殺された。前の出来事は遠くない。諸君は、民に不利なことがあると見れば、必ず思い切って諫めよ」。

解説

求諫篇の冒頭です。注目すべきは、太宗が自分の威圧感を自覚していたことです。参上する者はみな萎縮していた。だから彼は、意識的に表情を和らげました。上に立つ者は、自分がどれほど威圧的かに気づきません。そして「君主が国を失えば、臣下も家を全うできない」。諫めないことは、自分を守ることにはならない。煬帝が滅んだ時、口を閉ざしていた虞世基も殺されました。

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