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法句経 / 第二十三 象の部 三二〇〜三二二

三二〇 象が戰場に於て弓より離れたる箭を忍ぶが如く、我は(人の)誹謗を忍ばん、多くの人は破戒者なれば。 三二一 調められたる(象は人是を)戰場に導き、調められたる(象)は王の乘る所となる。能く(自ら)調めて誹謗を忍ぶは人中の最上なり。 三二二 調められたる騾も好し、信度産の良馬も良し、大牙を有せる象も好し、己を調めたる人は更に好し。

新字:三二〇 象が戦場に於て弓より離れたる箭を忍ぶが如く、我は(人の)誹謗を忍ばん、多くの人は破戒者なれば。 三二一 調められたる(象は人是を)戦場に導き、調められたる(象)は王の乗る所となる。能く(自ら)調めて誹謗を忍ぶは人中の最上なり。 三二二 調められたる騾も好し、信度産の良馬も良し、大牙を有せる象も好し、己を調めたる人は更に好し。

書き下し

三二〇 象が戦場に於て弓より離れたる箭を忍ぶが如く、我は(人の)誹謗を忍ばん、多くの人は破戒者なれば。 三二一 調められたる(象は人是を)戦場に導き、調められたる(象)は王の乗る所となる。能く(自ら)調めて誹謗を忍ぶは人中の最上なり。 三二二 調められたる騾も好し、信度産の良馬も良し、大牙を有せる象も好し、己を調めたる人は更に好し。

現代語訳

象が戦場において、弓から放たれた矢を耐え忍ぶように、私は人の誹謗を忍ぼう。多くの人は戒を破る者だからである。調教された象は戦場に導かれ、調教された象は王の乗るところとなる。よく自らを調えて誹謗を忍ぶ者は、人の中で最上である。調教された騾馬もよい。インダス川の産の良馬もよい。大きな牙を持つ象もよい。だが自分を調えた人はさらによい。

解説

第二十三章「象の部」の冒頭。戦象が矢を浴びながら陣を進む姿を、誹謗を受ける人の姿に重ねる。矢が刺さらないのではない。刺さったまま進むのである。「多くの人は破戒者なれば」——多くの人は戒を守れないのだから、誹謗されるのは当たり前だ、と理由まで冷静に付ける。相手を責めない代わりに、期待もしていない。三二一は、調教された象の価値を数え上げたうえで、「能く(自ら)調めて誹謗を忍ぶは人中の最上なり」と結ぶ。三二二はさらに騾馬と良馬と大象を並べ、最後に「己を調めたる人は更に好し」で締める。荻原は「信度」に、インダス河のことでこの地方から良馬を産すと註を付けている。世に高値の付く生き物を三つ並べたうえで、自分を調えた人がそれに勝ると言っている。

この章句が説くこと

戦象と箭誹謗を忍ぶ調められたる象己を調む

この一句を、あなたの毎日に。

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